こんにちは。元司書のシンカです
今回は『アリアドネの声』という小説を読了したのでその感想を書きます。
ボリュームは【298ページ】と薄めながら内容はとても濃く、すごいものを読んだというのが正直な感想です。
なぜ今まで読まなかったんだろう…。もっと早く読めばよかったと思った作品でした。初めて読んだ作家さんでしたが読みやすく、最後までハラハラドキドキの展開でしたので緊迫した雰囲気で駆け抜けたという感じです。
なんか、面白かったけど疲れる感じでした(笑)。
震災の時はただでさえ救助は大変なのに、さらに大変な要救助者が被災してしまうのです。
果たして要救助者は助かるのか、主人公は救うことができるのか。
ぜひ、最後までご覧ください。
要救助者は『見えない・聞こえない・話せない』三重障害の女性
『アリアドネの声』の著者について
『アリアドネの声』の著者は井上真偽さんです。
神奈川県出身の東京大学卒業の方で、『恋と禁忌の述語論理(プレディケット)』で【第51回メフィスト賞】を受賞してデビューしています。
2017年『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』が「2017本格ミステリ・ベスト10」の第1位となります。
今回初めて読んだ作家さんでしたが読みやすく、ボリュームもあまりなかったためスムーズに最後まで読了できました。
『アリアドネの声』のあらすじ
ミステリーかと思えば殺人事件などは起きませんが、行方不明者を捜索する場面はありますので、ミステリー要素も含まれている作品、として読むのがいいかもしれません。
巨大地震発生。地下に取り残された女性は、目が見えず、耳も聞こえない。
光も音も届かない絶対的迷宮。
生還不能まで6時間。
想像の限界を超えるどんでん返し。救えるはずの事故で兄を亡くした青年・ハルオは、贖罪の気持ちから救助災害ドローンを製作するベンチャー企業に就職する。業務の一環で訪れた、障がい者支援都市「WANOKUNI」で、巨大地震に遭遇。ほとんどの人間が避難する中、一人の女性が地下の危険地帯に取り残されてしまう。それは「見えない、聞こえない、話せない」という三つの障がいを抱え、街のアイドル(象徴)して活動する中川博美だった――。
崩落と浸水で救助隊の侵入は不可能。およそ6時間後には安全地帯への経路も断たれてしまう。ハルオは一台のドローンを使って、目も耳も利かない中川をシェルターへ誘導するという前代未聞のミッションに挑む。
最初から最後まで手に汗握る展開だったので私は面白く感じました。
『アリアドネの声』の登場人物
独自の「WANOKUNI」という地下都市で起こる巨大地震の物語です。
要介助者を救うことができるのかーーー、どうやって要介助者を救うのかという課題が盛りだくさんで最後までページが止まりません。
- 高木ハルオ(たかぎはるお)…株式会社「タラリア」に務める入社三年目のドローンの操縦者
- 中川博美(なかがわひろみ)…見えない・聞こえない・話せないの三重障害を持つ女性 巨大地震のあと地下街に取り残される
- 伝田志穂(でんだしほ)…中川さんの通訳を務めるが地震ではぐれてしまう
- 花村佳代子(はなむらかよこ)…ハルオの上司
- 我聞庸一(がもんよういち)…ハルオより二期上の先輩社員。
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『アリアドネ』の声の感想
アリアドネとは、ギリシャ神話に登場する女性の名前です。
それが今回は『ドローン』の名称として使われています。
ちょうど他のミステリでアリアドネが出て来ていたので、アリアドネの糸玉の使われ方が作品によって全然違うことも驚きました。
同じ元ネタなのにこうも違うのかと。
アリアドネが出てきた『迷路館の殺人』についてはまた別に記事を書きたいと思います。
ドローン『アリアドネ』について
アリアドネとはギリシャ神話に出てくる女性の名前です。
個人的にはなじみがありました。普段やっているゲームでは出てきていませんが、小説で読んで知っていたからです。
ただ、部屋の名前としてのアリアドネだったので、そのミステリーから離れて「これはドローン、これはドローン」と自己暗示しながら読んでいました。
続けて読んだのがよくなかったかもしれませんね。
韮沢さんについて
いろいろ強烈なキャラでした。主人公の同級生であり、行方不明の失声症の妹がいて、避難所で探し回っている。
今回は震度6の地震が起こった設定なので、実際の東日本大震災や能登の地震などを思い出しました。
避難所に行ったら水が使えるのだろうか…。能登の時は水が出なくて困っていたはず。そんな描写はなかったですが、ペットボトルや牛乳を飲んでいたので、とりあえず水には困らなそうです。
WANOKUNIという地下都市に閉じ込められる要救助者
『WANOKUNI』という地下都市については面白い設定だと思いました。
地下都市なので電線はいらず、地上の景観がいいことや街としての機能も充実していて驚きでした。
ただ、今回のような震度6などの地震があると、地下都市だと怖いように感じます。
健常者のみなさんはスマホやチップなどでほとんどが連絡が取れる状態で、救助活動もスムーズに行きそうな設定でそこも驚いたところです。
ただ、今回閉じ込められてしまった中川博美さんは三重の障害を持った大変な方でした。
この点も手に汗握る展開でしたし、中川さんを見つけた時はおおー、と感じましたし、その後のストーリーも二転三転して面白かったです。
最近のドローンはすごいのですね。テレビのバラエティぐらいしかドローンを見ることがないので、こんな使われ方をするのだと素直に感心しました。
勉強になります。
初めて読んだ作家さんでしたが、Xのフォロワーさんが「読みやすいよ」と言ってくれただけあって読みやすく面白かったので、また別の小説も読みたいなと思っています。
『アリアドネの声』が好きな人にはこちらもおすすめ
『アリアドネの声』が好きな人には青崎有吾さんの『地雷グリコ』がおすすめです。ミステリー要素を多分に含んでおりますが、駆け引き中心で誰も死なない、という点では共通点があると思います。
地雷グリコもブログ書いてないから書かなければ…あ、本音が!
ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説!
射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。
平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変りなゲームの数々。
罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)。
次々と強者を打ち破る真兎の、勝負の先に待ち受けるものとはーーーー。
ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説、全5篇。Amazonより引用
この本も読んでとても面白かったので、また追々ブログを書いていきます。
直木賞候補になったりして話題にもなりました。
まとめ
- 特殊な地下都市「WANOKUNI」で起こる震度6の巨大地震
- 地下都市に閉じ込められた女性は「見えない・聞こえない・話せない」の三重障害を持つ女性
- ドローン「アリアドネ」で救助をしようとする
- 主人公はアリアドネ操縦者
場所も状況も特殊で手に汗握る展開だったので私個人は非情に面白かったです。
できれば色んな人に読んでもらいたい作品ですね。
気になった方はぜひ読んでみてください。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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