こんにちは。元司書のシンカです。
今回は綾辻行人さんの『館シリーズ』2冊目である、『水車館の殺人』を読みましたのでその感想を書きます。
閉ざされた雪山の山荘とほぼ同じような状況、仮面の男、傍らには美女が…というミステリでは典型のクローズドサークルで楽しめました。
シリーズとはいえども、前作の『十角館の殺人』と重複している登場人物は探偵役の島田潔と、館を作った中村青司だけですので、これから読んでもとくに問題はないと感じます。
ただ、『十角館』の事件や『青屋敷』の事件を少しほのめかしている部分はありますので、館シリーズとしては2作目に当たります。
タイトルのとおり水車がごとんごとん回る音が聞こえながらの、次々に起こる殺人事件…誰が犯人なのか?意外な犯人とは誰か?
ぜひ、最後までご覧ください。
館シリーズ2冊目、探偵役と建築家が十角館と共通
『水車館の殺人』の著者について
『水車館の殺人』の作者は綾辻行人さんです。
経歴などについては、こちらの記事でまとめてありますのでそちらをご覧ください。
有名な『館シリーズ』の2冊目に当たり、この後『迷路館の殺人』へと続きます。
私は『十角館の殺人』『水車館の殺人』『迷路館の殺人』『人間じゃない』を読んでいます。
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『水車館の殺人』のあらすじ
毎度館の見取り図を眺めながら、よくこんな建物を思いつくものだ、と思います。
何回か最初に戻って現在地はどこか探すことがよくあります。
古城を思わせる異形の建物「水車館」の主人は、過去の事故で顔面を傷つけ、常に仮面をかぶる。
そして妻は幽閉同然の美少女。
ここにうさんくさい客たちが集まった時点から、惨劇の幕が開く!
密室から男が消失したこと、一年前の機械な殺人とは、どう関連するか?
脅威の仕掛けをひそませた野心作。出版社より引用
『水車館の殺人』の登場人物
シリーズ物とはいえ、探偵と建築家がかぶっているだけなので十角館からダイレクトに同じ事件の続き、とかではないです。
この巻だけでも充分楽しめる内容となっております。
- 藤沼一成(ふじぬまいっせい)…故人。幻視者と言われた画家。莫大な資産を残す。
- 藤沼紀一(ふじぬまきいち)…その一人息子。事故で手足と顔に傷を負い、仮面に顔を隠して「水車館」に陰住する。
- 藤沼由里絵(ふじぬまゆりえ)…その幼な妻。一成の弟子、柴垣浩一郎(故人)の一人娘。《塔の部屋》に住む少女。
- 正木慎吾(まさきしんご)…紀一の友人。かつて一成に師事した。長年の放浪生活の末、「水車館」に身を寄せる。
- 島田潔(しまだきよし)…招かれざる客。
『水車館の殺人』の感想
シリーズ1冊目の十角館の殺人から次の作品を読むまでに、実に1年も間が空いてしまいました。
ダイレクトに十角館からの続きではなく、1話完結の形式で探偵と建築家が同じだけなので、ほぼ別作品として楽しむことができます。
仮面の主人について
もう設定がベタすぎて笑っちゃったんだけど、この作品が30年以上も人々を楽しませてきたんだなと思うと感慨深いです。漫画やアニメの中にも仮面をかぶったミステリアスなキャラというのは出てくるので、時代の最先端でしょうか。
そして、肝心の「水車館」の水車については、家に水車があること自体がすごい。
現実にはなかなかないでしょうね、それにしても広い家なのにトイレが1つしかないとはこれいかに。せめて2階につけてください、家の中でお腹壊したらどうなっちゃうのかしらと余計なことを考えてしまいました。
由里絵について
彼女もベタなキャラ設定ですね。幽閉された美少女。なんだそりゃ。読めば学校にも行っていない様子。ピアノは弾ける。
《塔の部屋》に住んでいる、とかもうどこのむかしばなしですかっていうレベルですね。いくら庇護下にいるとはいえ、どこにも出かけないなんて少し非現実的だと感じました。別にこの子は病気でもなんでもないしね。好きでここにいるわけだから。まあ、完全に好きでそこにひきこもっていたわけではないようですが。
仮面の男について
過去と現在が入れ替わる形式で物語が進んで行くため、最初はわかりませんでしたがだんだん『仮面の男は本物か』と思い始めていました。
最初にバラバラ死体が出てきたときにはさすがに気づかなかったなあ。
十角館の時もそうだったので、屋敷自体に何かからくりがあるんじゃないかとは思いました。案の定でした。ネタバレになるのでここでは言いませんが。
それにしてもこんなに広い屋敷でトイレが1つなんて(まだ言ってる)。
トリックについて
トリックの予想は外れました。犯人は別の人だと予想していたのです。そしたら匂わせな感じだったのでころっと騙されてしまいました。
わかりやすい設定なのになぜだ。嵐の古城、招かれた客、連絡つかない電話、次々と起こる惨劇…。この人かな、と思って読んでいましたが見事に外されたのでもう少し素直に考えるべきだったかなと感じています。
推理もので誰が犯人かを当てるのはなかなか難しいですね。
『水車館の殺人』が好きな人にはこちらもおすすめ
『水車館の殺人』が好きな人には同じくクローズドサークル密室ものの、『魔眼の匣の殺人』をおすすめします。大学生の男女がバディを組み、事件を解決していく様子はとても面白いです。
こちらも、シリーズ2冊目となります。
シリーズ累計120万部!!
デビューから2作連続、ミステリランキングを席捲!!元研究施設に閉じ込められた11人。
ーーこの中で4人死ぬ。
“死の予言”は成就するのか。
『屍人荘の殺人』シリーズ第2弾その日、神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子を含む九人が、人里離れた班目機関の元研究施設“魔眼の匣”を訪れた。その主であり、予言者として恐れられている老女は、来訪者に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げた。施設と外界を結ぶ唯一の橋が燃え落ちた後、予言が成就するがごとく一人が死に、閉じ込められた葉村たちを混乱と恐怖が襲う。さらに客の一人である女子高生も予知能力を持つと告白し――。残り48時間、二人の予言に支配された匣のなかで、葉村と比留子は生き残って謎を解き明かせるか?! ミステリ界を席捲した『屍人荘の殺人』シリーズ第2弾。
解説=大山誠一郎Amazonより引用
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まとめ
- 館シリーズ2冊目、水車館の殺人
- 仮面の主人が怪しい
- 妻の美少女も怪しい
- 十角館とは探偵と建築家が同じ
- 読み進めると楽しい
クローズドサークルもの、雪山の山荘のような話ですが、やはり中村青司の作品だけあって特徴的な館です。この『水車』がどう事件に関係してくるのか?
島田潔は事件を解決することができるのか、ぜひ読んでみてくださいね。
気になった方はシリーズ1冊目の『十角館の殺人』から読むことをおすすめします。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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