夜のピクニックのあらすじと読書感想文 【第2回本屋大賞受賞作】

青春
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シンカ
シンカ

こんにちは、元司書のシンカです。

 

今回は、第2回本屋大賞を受賞した恩田陸さんの『夜のピクニック』を読んだので、その感想文を書きます。

高校の行事で「歩行祭」というものがあり、全校生徒が80キロもの距離を歩いていくということです。

私自身も高校の行事で、強歩大会というものがあり生徒たちが一緒になって歩いたことはありますが、30キロか40キロくらいだったと記憶しています。

朝8時から翌朝8時まで歩くという過酷な行事ですが、その中にドラマがあり、決意があり、進展があるという面白い構成になっています。

憧れのクラスメイトと話をすることはできるのか?

無事にゴールすることはできるのか?

ぜひ、最後までご覧ください。

高校生最後の行事、わだかまりを解消することはできるのか?


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『夜のピクニック』の著者について

『夜のピクニック』の著者は恩田陸さんです。
1992年、『六番目の小夜子』でデビューしておられます。
活字でこんなことが出来るのか、という驚きと感動を提供して注目を浴びます。
また、【第2回本屋大賞】にも選ばれており、本屋大賞が公式で配布しているスタンプラリーを見て本作を知りました。
【2017年第14回本屋大賞】を受賞し、【第156回直木賞】も受賞した『蜜蜂と遠雷』を読んだので、また読みたいと興味を持ちました。
著書に、『球形の季節』『三月は深き紅の淵を』『光の帝国 常野物語』『図書室の海』『禁じられた楽園』『Q&A』などがあります。
『六番目の小夜子』『球形の季節』と合わせて高校三部作とされ、『夜のピクニック』はその完結編にあたります。
私は知らずに『夜のピクニック』から読んでしまいましたが、この小説だけでも十分楽しめます。

 



『夜のピクニック』を読んだきっかけ

『蜜蜂と遠雷』を読んだときに著者紹介で紹介されていたので読んでみようと思いました

また、本屋大賞のスタンプラリーで、歴代本屋大賞の小説を読もう!という趣旨の台紙が配られておりますので、そちらでタイトルを知りました。
スタンプを埋めたら賞状がもらえるそうなので、本屋大賞の読んでいない本を読んでいこうと決めて、少しずつスタンプが埋まって行っています。
現在20作品中9作品読みましたので、感想は徐々に書いていきます。

 

 

 

 

『夜のピクニック』のおすすめポイントは?

『夜のピクニック』はわかりやすいあらすじで読みやすいので、小説と同年代の中高生や大人の方にもおすすめできる青春小説です。

 

  • 散歩が好きな人
  • これと似たような行事をやったことのある人
  • スポーツものが好きな人
  • 学園ものが好きな人

 

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『夜のピクニック』のあらすじ

『夜のピクニック』は、北高の歩行祭を舞台にした青春小説です。

繋ぎ留めておきたい、この時間を。

小さな賭けを胸に秘め、貴子は高校生活最後のイベント歩行祭にのぞむ。
誰にも言えない秘密を清算するためにーーー。
永遠普遍の青春小説。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。
甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。
三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するためにーーー。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。
本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。

Amazonより引用

 

 

 

『夜のピクニック』の登場人物

北高の全校生徒が歩く行事ですが、三年生を中心に物語が進んで行きます。

  • 西脇融(にしわきとおる)…三年生。膝に違和感を感じている。テニス部。
  • 戸田忍(とだしのぶ)…融の親友。水泳部。
  • 甲田貴子(こうだたかこ)…帰宅部。西脇融を意識している?
  • 遊佐美和子(ゆさみわこ)…貴子の友達。
  • 榊杏奈(さかきあんな)…アメリカに行ってしまった貴子のともだち。

 

 



『夜のピクニック』の感想



風景や道順、息遣いまで伝わる描写で実際に歩行祭に参加している気分になります。

2日間しかない行事なのに、3年分の想いが詰まった尊い作品でした。
もちろん、1年のときも2年のときも歩行祭があって、リタイアしない限り完走してるんですが、3年生になったらその3年分のわだかまりや憧れが解決して消化していくというドラマがありました。
ただ歩くだけなのに、たくさん歩くだけなのにいつもと違う状況、いつもと違う感情、そんなものまで一緒にゴールするのは感慨深かったです。
そして途中でホラー展開になるのかと思いました。
人間でよかった。

歩行祭について

実は旦那氏の母校である高校がこの行事と似たようなことをやっておりまして。
どこかで聞いたことある話だな、と感じたわけです。
名前は『歩行祭』ではなく『強歩大会』で、男女で歩く距離は違っていました。

 

旦那氏
旦那氏

俺のところの強歩大会は、男子100キロ、女子80キロ歩く過酷レースだったよ。ちなみに俺は1年のときはリタイア、2年3年のときは完走したからね!山梨から長野まで行くコースで、帰りは電車の中で大の字になって寝てるやつとかいたなぁ。
ちなみに陸上部とかは普通に走ってたからゴールするのも早くて休みも多かった。強歩大会終わってすぐ学校の授業だったし。

シンカ
シンカ

私高校違ってよかったなと切に思いました…一応私の学校にもあったけどね強歩大会。せいぜいフルマラソンくらいの距離よ。

 

でもちゃんと修学旅行はあったって言ってたから、歩行祭と別に修学旅行やってあげてもいいと思うんですよ。老婆心ですかね。なんだかかわいそうになってきちゃった。

そんな、歩行祭あるから修学旅行いらんだろ、なんて。それとこれとは別!

旦那氏の母校にはこの『強歩大会』に参加したくて受験する奇特な子(奇特とか言うな)もいるみたいです。

やってみると楽しいのでしょうか。もちろん、読んでる分には楽しい行事でしたが。

夜も仮眠はあるけどすぐ出発しなくちゃいけないし、距離を稼がなくちゃいけないからなかなか過酷ですよね。ぶっ通し歩くのとどっちが大変なんだろうか…。

 

 

西脇融について

彼のわだかまりはもう仕方ないというか。ネタバレはできないので伏せますが、甲田親子と少しでも親しくなってくれたらいいなと感じます。
最近本当に多いな、不倫要素。ただこの場合は完全に子どもがとばっちりを受けているので本当に迷惑だなと思います。
ですが融の気持ちもわかるし、父の浮気相手の子どもと同じクラスになったらそれはもうどうしたらいいかわからないですよね。
同じクラスになっちゃったんだよなあ、って感じ。
お互い悪いことはしてないけどベタベタ仲良くもできない、そんな感じですよね。
周りの子たちがいい子でよかった(もはや親目線)。

 

甲田貴子について

家庭の事情があって仕方ないとはいえ、西脇融と同じクラスになって睨まれるという針のむしろ生活は辛いと思います。貴子自体が悪いことをしたわけじゃないし。
悪いのはお父さんですよ。
家庭の事情を考慮してクラス編成とかしてくれないんですかね?先生は。
でも同じクラスになったからこそようやく少し会話が生まれたし、歩み寄りに成功したかな、という感じですね。複雑な家庭事情。
どうだろ。同じクラスになっても多分話さないんだろうなあ。
貴子が歩行祭でした『賭け』自体がすごい。
これが同性なら少しは接点があったんじゃないかと思いますが、男女だったから余計にこじれた感ありますよね。
貴子が男の子だったらどうたったんだろう。
でも結末的にはいい方向に向かったのでよかったと感じます。

 

 



戸田忍について

彼については、いろいろ刺さった名言というものがあるけれど、とりわけ融に諭すように言った『ナルニア国物語』の話は妙に印象に残りました。

なんでこの本をもっと昔、小学校の時に読んでおかなかったんだろうって、ものすごく後悔した。せめて中学生でもいい。十代の入口で読んでおくべきだった。そうすればきっと、この本は絶対に大事な本になって、今の自分を作るための何かになってたはずだったんだ。そう考えたら悔しくてたまらなくなった。

やはり『タイミング』というのは大事で、勧めてくれた人も闇雲に勧めてくれたわけじゃなく、ちゃんと『この時に読んでおいたほうがいい本』ってのを選んで勧めてくれてたという、融の事情をちゃんと知っているわけじゃないのに、すごく的確な例えで諭してくれる。こういう友達はやっぱりひとりかふたりくらいいたほうがいいですね。
面倒見がいいおかげで随分損をしている役割でしたけど、彼に相談するのはとてもいいと感じました。

杏奈と美和子について

確かに貴子から事情を説明することはないけど、知ってるということはありますよね。なるほどね。だから『おまじない』ね。
それにしても歩行祭に知らない人が紛れてるとかどこのホラー展開だと思ったらそうじゃなくてキーパーソンになってましたね、彼は。
ところで杏奈ちゃんの読みがミステリーの探偵並みの推理なんですけど、この凄さをどう表現したらいい?だってあなたアメリカにいるのに(笑)。
ただ歩くだけの歩行祭かと思ったらドラマもあり、恋愛要素もあり、ホラーチックなところもありで面白かったです。

おまけ

ところで最後まで読んでも探してた父親というのがわからなかったんだけど、そっちは解決したのでしょうか?そこだけわからなかった。
まあ戸田くんが幸せならよし。

 

まとめ

  • 高校生最後の行事である『歩行祭』の話
  • 憧れのクラスメイトと話すという賭けをした甲田貴子
  • わだかまりは消えるのか
  • 秘密がいつバレるのか

あらすじ自体は簡単ですが、複雑な人間関係と心理描写で緊張が生まれたりします。また、著者がモデル校の卒業生ということもあり、実際に生徒たちと一緒になって歩いているような気持ちになります。
歩くことと甘いものは尊い。
気になった方はぜひ読んでみてくださいね。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。


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