汝、星のごとく【凪良ゆう】あらすじ感想とレビュー直木賞候補作

3.0
小説
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シンカ
シンカ

久しぶりに恋愛小説を読みました、シンカです。

こんにちは。

 

凪良ゆうさんの作品を読むのは2冊めです。前回『流浪の月』を読んでよかったので、最新作を読んでみました。

読み終わると同時に『直木賞』の候補にノミネートされるなど、私にしてはめずらしく流行に乗れている感じです。

結論は、思ったより分厚いけどサクサク読めたし楽しかったです。

タイトルは、『なんじ、ほしのごとく』と読みます。

恋愛と簡単に言っても1つの形に囚われるのではなく、色んな形があるんだなと考えさせられる内容でした。

以前読んだ『流浪の月』と通じる主張などもあり、ハッとさせられる場面もありました。

親子、友だち、夫婦。色んな呼び方はありますがそれだけに終わらない複雑な人間関係が見どころだと感じます。

ぜひ読んでみてほしい1冊です。

瀬戸内海の海が育む高校生の恋から愛へ
2人を見守る教師が見どころ


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汝、星のごとくの著者について

汝、星のごとくの著者は凪良ゆうさんです。
京都市在住の方で、2006年にBL作品にてデビューし、代表作に2021年に連続テレビドラマ化された「美しい彼」シリーズなど多数あります。
2017年に非BL作品である『神さまのビオトープ』(講談社タイガ)を刊行し、高い支持を得ておられます。
2019年に『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行しています。
2020年『流浪の月』で本屋大賞を受賞しておられます。
同作は2022年5月に実写映画が公開されました。
2020年刊行の『滅びのシャングリラ』で2年連続本屋大賞にノミネートされています。本書は約2年ぶりの長編小説となり、現在は直木賞候補としてノミネートされております。

 

 

汝、星のごとくを読んだきっかけ

読書垢のタイムラインで凪良ゆうさんの作品が多く、読了ツイートをしている方が多かったので興味を持ちました。

また、【2020年】に本屋大賞になった『流浪の月』を読んでいてよかったので、2冊目の本も読んでみようと思いました。
ちょうど読了したあたりで【第168回直木賞】の候補にノミネートされていたので、珍しく話題の本を読んだ、と言う感想です。



 

汝、星のごとくのあらすじ

汝、星のごとくは瀬戸内海と東京を舞台にした恋愛小説です。

その愛は、あまりにも切ない。

正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。

ーーーーわたしは、愛する男のために人生を誤りたい。

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。

生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

ーーーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

出版社より引用

 

 

 

汝、星のごとくの登場人物

汝、星のごとくは様々な形の恋愛を描いた物語です

【瀬戸内海の島、島周辺の人物】

  • 井上暁海(いのうえあきみ)…瀬戸内の島に育った高校生。
  • 青埜櫂(あおのかい)…京都から転校してきた同級生。将来漫画家になるという夢がある
  • 青埜ほのか(あおのほのか)…京都から引っ越してきたシングルマザー。島でスナックをやりはじめる。男性に依存気味。
  • あーくん…ほのかの恋人。家族がいることを隠しており、後に別れる
  • 暁海の父…島の女性と不倫しており、なかなか家に帰ってこない
  • 井上志穂(いのうえしほ)…暁海の母。不安定な専業主婦。
  • 林瞳子(はやしとうこ)…暁海の父の不倫相手。暁海に刺繍を教え、仕事を与える
  • 北原先生…暁海と櫂の高校教師。結(ゆう)という5歳になる娘がいる
  • 達也…ほのかの新しい彼氏

【東京の人物】

  • 二階堂絵理(にかいどうえり)…編集者。櫂と関係を持ったり、作家と不倫したりしている
  • 久住尚人(くすみなおと)…櫂のビジネスパートナー。漫画の作画担当。
  • 安藤圭(あんどうけい)…尚人の恋人。後に漫画家活動に影響をもたらす。
  • 植木(うえき)さん…高校時代から櫂と尚人の編集をしており、才能を認めている

登場人物が様々な苦難を抱えていて、考えさせられる内容でした。

汝、星のごとくの感想


個人的にとても楽しめた恋愛小説です。

最近モンスターや妖怪などのオカルトチックな小説ばかり読んでいたので、久しぶりに人間オンリーの恋愛小説を読み、新鮮な気持ちになりました。

一般的には恋人や愛人、夫婦など様々な呼び方があっても、一概にすべてを枠に嵌めることは難しいのだな、と感じた小説です。

世間一般では許されない不倫という形でも、瞳子と暁海の父のように揺るぎないものになってしまえばそちらが本物になってしまうのだろうとーー。

 

瞳子について

瞳子は暁海の家族を崩壊させ、めちゃくちゃにした張本人です。
しかし、暁海に親身になってくれ、東京に行きたいと言った時に学費はわたしが出すと言ったり、刺繍の仕事を教えたり、いい人なのか悪い人なのか、わからなくなる時があります。
暁海の母にとっては諸悪の根源でしょう。だからこそあの行動に出てしまった気持ちもわかります。

勝手な父親、不安定な母親を抱えて島で暮らしていくのは、本当に辛いことだと思います。
瞳子さんにかんしては、印象に残ったセリフが多いです。

自分の人生を生きることを、他の誰かに許されたいの?

誰かに遠慮して大事なことを諦めたら、あとで後悔するかもしれないわよ。そのとき、その誰かのせいにしてしまうかもしれない。でもわたしの経験からすると、誰のせいにしても納得できないし救われないの。誰もあなたの人生の責任を取ってくれない。
わたしは仕事をしていて、それなりに蓄えもある。もちろんお金で買えないものはある。でもお金があるから自由でいられることもある。
たとえば誰かに依存しなくていい。いやいや誰かに従わなくていい。それはすごく大事なことだと思う。

 

父の不倫相手ではなく、普通に仕事仲間か近所のお姉さんで出て来てくれれば刺さったのに、暁海の父の愛人で家庭をめちゃくちゃにした張本人だと思ったら複雑な気持ちになってしまいました

良くも悪くも、この人は暁海に影響を与えて、仕事で自立できるようになったのだから存在は大きかったと思います。
もう少し違う形で出て来てほしかったなぁ…。複雑。

櫂と暁海の親について

櫂のお母さんですが…。暁海の母とは違って、弁護出来るところがあんまりない。
ネグレクトに男性依存、櫂が漫画家になって一番櫂のお金を使い果たしたのもこの人でした。

「これで楽ができると思ったのに!」

と言った時にはどうしようかと思いました。

そして自分は可哀そうなのよオーラを出す…。櫂の病気がわかった時、お見舞いに行かなかったことを知った暁海の反撃にすっきりしました。
だって自分のこと全然悪くないと思ってるよ、この人。
挙句暁海にも無心してるからな…。ホント櫂のお母さんヤバい。
同情がまったくできないし、櫂と別れて本当よかったと思ってしまう私がいました。
もちろん櫂のせいじゃないし、お母さんと一緒にいたいのはわかるけど…。
櫂と結婚してたらこの親が親になるのだと思うと、いくら好きでも…と躊躇してしまうレベル。
最後お見舞いに来てくれてよかったよ、本当。
暁海のお母さんはね、不倫されちゃって不安定になるのもわかるし仕方ないなって思わなくもないけど。
不倫相手のところに娘を乗り込ませる親もありえないと思います。
最初は読むのきつかったです。
暁海が櫂のお母さんに言い返すところはとてもよかったです。
よく言った!

 



 

北原先生について

彼はいいキャラしていました。
暁海と櫂の高校の先生でしたが。
櫂のお母さんがあーくんと別れて暴走していたときも、暁海のお母さんが暴走したときも、櫂と暁海の密会を見つけたときも、颯爽と現れて最善の手を尽くしていく。
彼がいなかったら『汝、星のごとく』は成立してませんよ。
性格も行動もチートな存在でした。
最初から飛ばしてましたね。
大人の包容力ってすごいな、と思った瞬間でした。
櫂のお母さんに爪の垢煎じて飲ませてほしいくらいでしたわ。
娘の結ちゃんもいいキャラしてました。
性格が似るのでしょうか。
北原先生と瞳子さんで、教えてくれることが似たようなこともありましたね。

自分で自分を養える、それは人が生きていく上で最低限の武器です。結婚や出産という環境の変化に伴って一時的にしまってもいい。でもいつでも取り出せるよう、メンテはしておくべきでしょうね。いざとなれば闘える。どこにでも飛び立てる。独身だろうが結婚していようが、その準備があるかないかで人生が違ってきます。

同じようなセリフなのに、瞳子さんよりも北原先生の方が刺さる気がするのは、父の不倫相手からの教えより、頼りになる教師からの教えの方がしっくり聞けるからでしょうか。
何にせよ、こういうことを教えてくれる大人が身近にいるということは暁海にとってはプラスになったと思います。

北原先生の協力の仕方素敵すぎて異常(誉め言葉)

正直櫂と暁海の恋の行方よりも北原先生の恋愛の方が気になったくらいでした。
最後のあの初めましては反則だと思います
どうやら北原先生主役のスピンオフもあるようなので、ぜひ読みたいところです。
北原先生最高だったのでぜひ見てみてほしいです!

 

 



 

プロローグとエピローグについて

プロローグとエピローグは同じ場面です。
『流浪の月』でもカフェでお茶してるプロローグとエピローグでしたが、同じ場面でも話の流れがわかると全然違う風景に見えてきます。
また作中、『流浪の月』の更紗と同じ主張を発見してハッとすることもありました。
全体がよくまとまって綺麗な話になっていました。

 

 

まとめ

  • 瀬戸内海の島で繰り広げられる恋愛模様
  • 人間関係が複雑
  • 人生観を学べる
  • 最後が感動する

344ページと長い長編でしたが、楽しく読めました。
世界の中心で愛を叫ぶに似た話だなぁ、と思いながら読んでいましたが、世界の中心で愛を叫ぶより複雑な人間関係で、考えさせられることが多かったです。
第168回直木賞にもノミネートされたことがわかる、とてもいい作品でした。
気になった方はぜひ、読んでみてくださいね。
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。


 

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