『桐島、部活やめるってよ』朝井リョウ【小説】あらすじ感想とレビュー

朝井リョウ
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シンカ
シンカ

こんにちは、元司書のシンカです。

 

今回は朝井リョウさんのデビュー作、『桐島、部活やめるってよ』を読んだのでその感想を書きます。
バレー部のキャプテンだった桐島が突然部活を辞めることになったらしい…。
その噂が、バレー部や周りの生徒たちにさざ波のように広がっていき、そこから人間関係が変化していく物語です。
同じバレー部の部員視点から、その彼女から、同じクラスの人から、
違う人から語られる、少し噂になる程度ですが、要所要所で桐島くんが語られます。
高校生たちの群像劇で様々な視点から語られるので飽きることなく最後まで読み進められます。
文庫本で【245ページ】とそれほど厚くないので、あまり読書しない方にもおすすめできます。
ぜひ、最後までご覧ください。

 

高校生たちの群像劇、桐島を巡る噂に周りの人間関係が揺れる


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『桐島、部活やめるってよ』の著者について

『桐島、部活やめるってよ』は朝井リョウさんのデビュー作です。
朝井リョウさんは2013年『何者』【第148回直木三十五賞】を受賞しておられ、直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少です。
デビュー作の『桐島、部活やめるってよ』『何者』は映画にもなり話題になりました。
2021年『正欲』で本屋大賞4位に選ばれ、柴田錬三郎賞を受賞しておられます
私は『何者』、『何様』、『桐島、部活やめるってよ』、『正欲』、エッセイの『ゆとり三部作』を読んでいます。
感情を揺さぶられる物語が多く、今後も読んでいきたい作家さんです。

 

 

 

 

『桐島、部活やめるってよ』のおすすめポイント

群像劇で物語が進んでいくため、短編集ですが飽きることなく最後まで読めます。

 

  • 学園ものが好きな人
  • スポーツものが好きな人
  • 恋愛ものが好きな人

学園ものだと色んな要素が入るので楽しいですね。

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『桐島、部活やめるってよ』のあらすじ

『桐島、部活やめるってよ』は、高校生たちの間で広がる噂話を中心に、生徒を変えながら語られていく群像劇です。

田舎の県立高校。バレー部の頼れるキャプテン・桐島が、理由も告げずに突然部活をやめた。
そこから、周囲の高校生たちの学生生活に小さな波紋が広がっていく。
バレー部の補欠・風助、ブラスバンド部、亜矢、映画部・涼也、ソフト部・実果、野球部ユーレイ部員・宏樹。
部活も校内での立場も全く違う5人それぞれに起こった変化とは……?
瑞々しい筆致で描かれる、17歳のリアルな青春群像。

出版社より引用

『桐島、部活やめるってよ』の登場人物

『桐島、部活やめるってよ』では、章タイトルが登場人物の名前になっています。

  • 菊池宏樹(きくちひろき)…野球部のユーレイ部員
  • 小泉風助(こいずみふうすけ)…バレー部のリベロ。桐島と同じポジション
  • 沢島亜矢(さわじまあや)…吹奏楽部部長
  • 前田涼也(まえだりょうや)…映画部。菊池宏樹とクラスメイト
  • 宮部実果(みやべみか)…ソフトボール部。バレー部の孝介と付き合っている



『桐島、部活やめるってよ』の感想


桐島について

考えてみたらタイトルも桐島くんのことを話してる感じでしたね。
タイトルの本人が出てこない仕様だとは思わなかった。
主人公の周りの人間が、主人公の話を聞いたり話したりって感じなんですね。
しかも章タイトルに出てくる人たちが直接桐島くんと接点があるわけではなく、あんまり接点がない人たちが噂してる感じなのね。
直接桐島と関わりがあったのは同じバレー部の小泉くんくらいです。
あとはバレー部員の彼女とか、映画部が撮影で少し噂を聞くとか、こんなにタイトルに名前が出てるのに本人が登場しない主人公は珍しいです。

バレー部について

バレー部をやめるっていう話だけどがっつり試合があるのかと思ったらそうでもなく、やはり同じポジションだったリベロの風助の章くらいでしか試合はありませんでしたね。
スポーツものかとおもって読むとなんか違う。ってなるかもしれません。

 

亜矢について

吹奏楽部部長の亜矢。直接桐島とは接点はないけど、桐島と同じグループの男の子が好き。
という、ほんとうにふんわりした接点でした。直接顔を見たことがない。
でも、桐島が部活をやめるらしいと聞いて、それまで眺めていた好きな男の子がバスケをしなくなったことで感情の動きがあります。
片思いで少し切ない系のお話しでした。



涼也について

クラス内のカースト関係か…。高校時代が昔すぎて、そんなのあったかなと首を傾げるレベルですが、確かにいくつかのグループには分かれていたと思います。
私も3、4人のグループと一緒にいましたし。
今でも交流のある子、結婚式に呼んだ子もいるので高校の友だちって意外に大事だよな、とも感じます。おばさんになってからも付き合い続きますからね。
明るい子たちのグループと大人しめの子たちのグループで見事に分かれてて、こんな感じだったかなあと。そういうのあんまり気にしなかったからな。
気にする子は気にするんだろうな。
映画部の子も、桐島とはほぼ接点はないので別のエピソードな感じですね。
少し名前が出てくる程度。

実果について

この場合は…どうなんでしょう。
ここで実果が、お母さんに向かって「私は実果だよ」と言ったとして、認識してくれるかどうか。
忘れたら思い出させればいいじゃない!…ってわけにはいかないんだろうなあ。
実果にとってももう一人だけの肉親だから、できれば自分の名前を呼んでほしいよね。
他の人の感想で衝撃とか書いてあったけど、ある意味衝撃で複雑です。
これ、実果がもうあきらめてカオリで返事しちゃってるけど、その都度訂正していけばなんとかならんのかね?
やるせない感じでした。でも医者が「もう治らないでしょう」って言ってるから訂正してもまた忘れちゃうのかしら。
せめてお母さんは何歳だったっけ?って普通に聞いてもよかったと思う。

 

高校生たちの群像劇

特に事件は起きないけど、高校生たちの日常って活気にあふれてますよね。
朝井リョウさんが19歳のときに書いた高校生だから、年齢が近いので等身大の高校生活が見られます。
勉強や行事、部活動などさまざまな視点から見ることが出来るので懐かしい気持ちになります。こんなことあったかな、とか。
高校のときが一番楽しかったなあと振り返ってしまう小説でした。
タイトルの桐島が直接登場しないので、いつか桐島目線のスピンオフなんかも読んでみたいです。

 

 

 

『桐島、部活やめるってよ』を好きな方にはこちらもおすすめ

『桐島、部活やめるってよ』が好きな人には壁井ユカコさんの『2.43シリーズ』がおすすめです。中学生から高校生の、春の高校バレーをメインにバレーボール球児が奮闘するスポーツ小説です。『桐島、部活やめるってよ』より試合中心のバレー部のお話しです。

まぶしいほどに純粋、てれくさいほど真っ直ぐな青春小説、誕生!
東京の強豪中学バレーチームで仲間を自殺未遂に追い込んでしまった灰島公誓は、子供時代を過ごした母方の郷里・福井に転居し、幼なじみの黒羽祐仁と再会。
ずばぬけた身体能力を持ちながらプレッシャーに弱い黒羽と、バレーへの圧倒的な情熱と才能ゆえに周囲との摩擦を引き起こしてばかりの灰島はエースコンビとして成長していく。
だが、中学最後の県大会で二人は衝突。絶縁状態のまま、やがて地元の清陰高校に共に進学する。
身長163cmの熱血主将小田と身長193cmのクールな副主将青木の凸凹コンビや日光アレルギーで常に長袖長ズボンの2年生棺野らと出会い、黒羽と灰島はもう一度バレーで全国を目指すが……

 

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まとめ

  • バレー部の桐島が部活をやめるらしい
  • え?誰それってくらい接点がない人たちも出てくる
  • 色んな部活動の話
  • 片思いなどの恋愛要素もある
  • ひとつひとつの話は短い

 

朝井リョウさんはいくつか作品やエッセイを読んでいるので、今回も興味を持ちました。桐島が部活をやめたことによる周りの人間の影響、のような珍しいタイプの話でしたが、楽しいばかりでなく複雑なものもあったのでよかったと思います。
気になった方はぜひ読んでみてくださいね。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。



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