ブレイブ・ストーリーのあらすじ感想とレビュー 剣と魔法の冒険小説

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シンカ
シンカ

こんにちは、シンカです。

今回は宮部みゆきさんのファンタジー小説『ブレイブ・ストーリー』の小説を読んだので感想を書きます。

あなたは、現実で自分自身では変えられない、どうすることもできないことが起こったことはありますか?

それを変えたいと思ったことは?

主人公は小学五年生ですが、辛い現実ーー運命を変えるために見習い勇者になり、異世界を旅する”旅人”になります。

結論は、文体は読みやすくとてもわかりやすい表現だったので、物語にもすぐ入り込むことができました。

児童書の感覚で読めるので、親子で読んで感想を言い合ってもいいと思います。

ぜひ、最後までご覧ください。

 

▼こんなあなたにオススメ

  • RPGのゲームが好きな人
  • ファンタジーが好きな人
  • 冒険が好きな人

 

 

小学五年生が運命を変えるために異世界へ!?旅を終え、女神と出会うことはできるのか

 


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『ブレイブ・ストーリー』の著者について

『ブレイブ・ストーリー』の著者は宮部みゆきさんです。

1960年、東京生まれの方です。1987年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しておられます。

1989年『魔術はささやく』日本推理サスペンス大賞、1992年に『龍は眠る』日本推理作家協会賞『本所深川ふしぎ草紙』吉川英治文学新人賞を受賞しておられます。

1993年『火車』山本周五郎賞、1997年『蒲生邸事件』日本SF大賞を、1999年には『理由』直木賞を受賞しています。

著書に、『レベル7』『あやし』『模倣犯』『あかんべえ』『ドリームバスター』など多数あります。

時代物から怪談、ファンタジーにSFなど幅広いジャンルの小説を書いておられます。

私は今回の『ブレイブ・ストーリー』で初めて宮部作品を読みました。

他にも有名な著書があるので、今後も読んでいきたい作家さんです。



 

『ブレイブ・ストーリー』を読んだきっかけ

大手古本屋(ブック〇フ)で三冊見つけたので購入して読みました。

映画になったり、漫画化、ゲームになったりと様々なメディアで展開もしているため昔からタイトルだけは知っており、読んでみたいと思っていた作品です。

購入してみたら文庫三冊ですべて【400ページ超え】という読み応えがある作品で、最後まで楽しむことができました。

購入してよかったと感じています。

旦那氏
旦那氏

お、ブレイブ・ストーリー読んでるの?

俺中学校くらいに文芸の厚いので読んだよ、

上下巻の。え?文庫?うすっ

 

シンカ
シンカ

薄いって言っても上巻で460ページ

中巻で478ページ

下巻も解説まで読めば493ページでめっちゃ厚く感じる

 

他の図書館本などを間に挟んで読んでいたのですが、1月から読み始めて2月には全巻読了できました。長いようですが読み始めるとあっという間です。

単行本では上巻600ページ超えだそうです。

角川つばさ文庫など児童書も出ているので、読みやすい形態で読めばいいと思います。

 

 

『ブレイブ・ストーリー』上・中・下巻のあらすじ

『ブレイブ・ストーリー』は上・中・下巻の三冊に分かれている長編小説です。

私は幾何学な風景や、物語の場面が出てきたようなイラストのいとう瞳さんがカバーイラストを手がけた文庫で読みましたが、登場人物がイラストの上・中・下巻に分かれた角川文庫の装丁もあるようです。

物語は、小学五年生の三谷亘(みたにわたるを主人公にして進んでいきます。

上巻のあらすじ

三谷亘(みたにわたる)は、小学五年生で成績がそこそこの、テレビゲームが好きな普通の男の子。

学校で建設途中のビルに幽霊が出るという幽霊ビルの怪談が流行っており、友人のカっちゃんと本当に幽霊がいるか確認することに。

しかしそこにはなんの不思議もなく、出会ったのはビルを作っている会社の社長とその娘、大松香織(だいまつかおり)でした。

転校生の芦川美鶴(あしかわみつる)が来て、仲良くなりたいと思って話しかけたら冷たくあしらわれたり。

甘い声が聞こえて、話すことが出来るが見えない女の子と遭遇したり。

そんなある日、帰宅した亘に父は「この家を出ていく」という意外な言葉をぶつけます。

突然浮上した両親の離婚問題。亘の母親はショックで自殺を図ってしまったのです。

ガスの充満する室内から助け出してくれた芦川美鶴は、亘がよくプレイしているゲームの魔導士のような服装で、「お前と僕はよく似てる。同じようなものを背負ってる。だから、おまえにもチャンスをあげたかったんだ」

美鶴はこう言って、幽霊ビルから幻界(ヴィジョン)へ行き、旅人になって運命の塔を目指し、運命の女神に遭って願いを叶えてもらうということを教えてくれました。

幻界とは実在し、運命をかえるために異世界に行くのだと。
美鶴の旅はもう始まっていると教えられます。

亘は美鶴から”旅人の証”であるペンダントをもらい、十年に一度開くという”要御扉(かなめのみとびら)”を通って旅の支度を調えるために導師と会います。

亘はこれまでの平穏な日常を取り戻すべく、ビルの扉から、広大な異世界ーーー幻界(ヴィジョン)へと旅立ちました。

上巻では現実世界で亘の身に起こったことを、ほぼ1冊分使って描いています。

 

中巻のあらすじ

”旅人”となった見習い勇者のワタルは、番人であるラウ導師から、幻界(ヴィジョン)に関する情報を教えてもらったあと、運命の女神に出会い願いを叶えてもらうために旅に出ます。

目指すは運命の女神がいる『運命の塔』

そこへ向かって、幻界(ヴィジョン)の町を旅をするのです。

しかし右も左もわからない異世界の地。

最初に出会ったのは『水人族』というオオトカゲの人型(リザードマン)のような男で、名前を『キ・キーマ』と言いました。

彼はラウ導師よりもさらに深く、幻界には北大陸と南大陸があり、それぞれ違う宗教を信じている、などの情報を教えてくれます

その後、『ネ族』の猫耳の少女『ミーナ』と出会い、3人で旅をすることになります。

幻界には『アンカ族』と呼ばれる人間にそっくりな人種と、『非アンカ族』と呼ばれる種族(キ・キーマやミーナのような動物に似たような人種)があり、『アンカ族』が『非アンカ族』を差別している場面に出くわしたりします

そのような旅の中、ワタルは『高地人(ハイランダー)』と呼ばれる街の守護をする団体に加わり、幻界の実情を知っていきます。

幻界のヒト々となじみながら、楽しく旅をしていきます。

もう一人、現世から幻界に来た『ミツル』は先に旅を進めており、運命の塔につくまでに完成させなければならない『宝玉』を5つ見つけて退魔の剣を作るということをワタルに教えるレベルでした。

しかし『運命の塔』に辿り着ける旅人は1人だけです。

ワタルはミツルに勝ち、運命の塔に行って女神に会うことは出来るでしょうか?

 

下巻のあらすじ

幻界中を震撼させた、運命の女神の『ヒト柱』

千年に一度、”大いなる光の境界”を作り直すために、『ハルネラ』が行われる。

その『ハルネラ』は、幻界中のなかからひとり選ばれて、ヒト柱になるというもの。

ワタルは、キ・キーマやミーナなどの幻界で得た仲間たちがハルネラのヒト柱に選ばれたらどうしよう、と恐怖します。

それからも運命の女神に会いに行く旅は続き、ついにワタルは先を行くミツルに追いつくことができるのです。

ワタルは最後の宝玉を手に入れられるのか?

運命の塔に辿り着けるのか?

基本ファンタジーですが、ミステリなどの要素もあり、最後まで楽しく読める内容になっています。

ワタルが旅をしながら学び、成長していく様子を見るのもまた見どころの一つだと感じます。

映画やゲームとは設定が異なる

『ブレイブ・ストーリー』は映画にも漫画にも、ゲームにもなっているエンターテイメント性の高い作品です。

映画とゲームで声優さんが異なっていたり、漫画と小説でワタルの年齢が違っていたりと、変更点があるようです。

小説と映画では結末も異なるようで、映画の方が子ども向けに編集されているようです。

私は原作小説しか読んでいませんが、映画も見たいと思っています。

原作との違いを探してみるのも楽しいかもしれません。

 

 

『ブレイブ・ストーリー』の感想



『ブレイブ・ストーリー』は小学五年生のワタルが異世界を旅しながら成長していくファンタジー小説です。

(どうやらAmazonでは中巻の文庫のサンプルがないらしく、キ・キーマが表紙のサンプルになるようです)

 

 

普段ファンタジーを読まないという方でも、最初に現実世界、特に亘周辺に起きたことを細かく語っているので、ファンタジーということを忘れそうになるくらいでした。

現実世界にいるのが上巻の後半、最後のほうまでだったので、最初は読むのがきつかったです。

『ブレイブ・ストーリー』をファンタジー部分を切り取って感想を言うならば、設定が『汝、星のごとく』の暁海のお母さんにそっくりでした。

違うことは、亘のお母さんが亘を使って父を取り戻そうとしなかったこと

これは大きな違いで、その後亘が暁海のようにヤングケアラーにならずその出来事をバネに成長できるようになっていることでしょうか

現実世界では平和な時から辛いことが起こるまでの落差がすごいので、少し長く感じました。

そこを描かないと幻界でも、話がつながらないことはわかります。

が。…長かったよね。(笑)

普段ファンタジー慣れしていない方は、背景が細かい分入りやすいかもしれません。

そんなに辛いことがないと、”幻界”の旅人になれないのでしょうか。

ミツルに関してはワタル以上の辛い記憶がありました。

「運命を変えるんだから、簡単なわけないだろう?」

ミツルがワタルに告げた言葉です。

運命を変える塔に行くにも、それなりの理由が必要だということでしょうか。

「僕ら、まだ子どもなんだぜ?」

というワタルの気持ちもわかります。

うんうん、そう言いたくなるよね。

まだ小学五年生だもんね。

最近色んな方面で少年たちが頑張っている小説を読んでいるので、大変だな少年たち…と遠い目をしたくなります。

現世で色んな事件が起こったので『運命の女神』に会う資格を持ったということでしょう。

 

 

ミーナについて

彼女については色々思うところがあります。ハイランダーになってキ・キーマとワタルとともに旅をすることになります。

ワタルの旅は終わったけど、結局ミーナの両親は見つからないままでしたね。

真実の鏡を受け継いでいたから狙われちゃって…。うん、楽しければいいのかな。

ミーナについては、印象に残っているセリフもあります

ワタルが北大陸へ行くと決心したとき、ミーナとキ・キーマは非アンカ族だから危険な目に遭うかもしれない。

だから南大陸に残ってほしい、と懇願した時です。

ワタルがわたしたちのことを心配するのと同じように、わたしたちもワタルのこと心配なの。わたしたちが一緒にいなかったせいでわたしたちが全然知らない場所で、ワタルが命を落としてしまうかもしれないと思うと、たまらないの。怖いの。いてもたってもいられないの。だから、どんなに危険でも一緒にいたいのよ。ついてゆきたいのよ。

恋心とかじゃなく、仲間としての絆を感じますね。どんだけワタルについていきたいんだ…。キ・キーマもだけど。

ちょっと、ここはグッときました。

ガサラの町のヒトたちと馴染めてよかったねうんうん、と感情移入できたところです。

おばちゃん涙が出そうになりました。

 



オンバ様について

上巻の、亘の家が平和だったころから聞こえていた見えない女の子の、甘い声。

まさか正体があれとは…。

うっかり騙されるところでした。

最初から読み返すと、わりとヒヤリとしますね。そういえば、この作品はファンタジーとはいえ、殺人もあったし盗みもあったし、詐欺もありました。

味方だと思ってたら段々態度が変わってくるので、それも見どころの1つかもしれません。

あんな初期から異世界に干渉できるということは、やはり力の強い『何か』だったんでしょうね…。

まさかのラスボスとは思わなかったぜ。くわばらくわばら。

最後まで読んでよかったな、と感じました。

 

ミツルについて

ミツルについては、もう1つ記事を書きたいくらいです。(笑)

彼とワタルの違いは、『幻界』に対する気持ち

キ・キーマやミーナといった仲間とともに旅をし、行く先々の町でも馴染んでいたワタル(リリスは別)。

しかし、ミツルは優秀で冷徹でした。

仲間を作らず1人で旅をし、道を踏み外してしまっても教えてくれる仲間がいなかったのです。

小説では光となったミツルですが、映画では結末が異なるようなので、いずれ映画も見たいと思います。

『汝は選ばれた。道を踏み誤ることなかれ』

という最初の文言が、ラストを読むと意味がわかります。

ミツルだって、ワタルが現世でピンチになったときや宗教問題で殺されそうになったときなど颯爽と現れて助けてくれ、『幻界』について教えてくれたりしたわけです。

元は悪い子ではないはず。

分身と戦うとか本当にファンタジーの王道だな!と思いました。

幻界(ヴィジョン)のアンカ族には、現世の人間にそっくりなヒトもいました。

ワタルの父親、不倫相手にそっくりなヒトとあったり。ですから自分とそっくりの分身ができても仕方ないかもしれません。

無念な最期でした。

 



 

母親について

なぜ意識を失っていた邦子がワタルの旅の様子を見ることができたのか?

以前、ミーナが言っていたセリフが気になりますね。

でも、ワタルのお母さんは、きっとわかってるよ。眠っていても、ワタルがそばに来たって、きっと感じ取ってるよ

(中略)

お母さんって、そういうものなんだって。離れていても、子供のことはわかるんだって。だからワタル、元気を出して。ワタルがしょげてると、お母さんにもそれが伝わっちゃうよ。ね?

意味はないかもしれないけど、意味深なこのセリフ。…これも伏線でしょうか。

あとから現世で意識を失っていた邦子が夢で、ワタルの旅の様子を見ていたことを。

ミーナ…。この子やっぱり何かあるような気がする…。

猫耳な時点で萌えがありましたけどね!←

 

まとめ

 

  • 小学生の男の子が運命を変えるために幻界(ヴィジョン)へと旅立つ
  • 宝玉を5つ集め、勇者の剣にはめて完成させながら旅をする
  • 真実の鏡、常闇の鏡と呼ばれる異世界へ通じる道具がある
  • 旅人2人のうち、1人だけが運命の塔にい行き、運命の女神と出会うことができる
  • 幻界には殺人や詐欺、盗みなどの悪人もいる
  • 映画や漫画、ゲームになっているが原作小説とは設定や結末が異なる

 

今回は宮部みゆきさんの王道ファンタジー『ブレイブ・ストーリー』を読んだ感想を書きました。

大人も子どもも楽しめる内容になっているので、親子で感想を言い合うのもいいと思います。

ぜひ1度手に取って読んでみてくださいね。

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。

 


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