こんにちは。元司書のシンカです。
今回は、城塚翡翠シリーズ3冊目の『invertⅡ[インヴァートⅡ]覗き窓の死角』の感想を書きます。
表紙はミモザの中で泣く翡翠ちゃんですが、読んでいくにつれその意味がわかってくると随分切ない気持ちになります。
それは1冊目の『medium』のときよりもきついかもしれませんね。
今回の事件は嵐の山荘もののクローズドサークルという、ミステリの王道な『生者の言伝』と、謎を多く残す事件である『覗き窓の死角』という二つのお話からなっています。
ドラマでは『生者の言伝』までが映像化されて、『覗き窓の死角』だけは映像化されていないようなので、今後映像化があるのかも気になるところです。
ぜひ、最後までご覧ください。
妹を自殺に追い込んだのは誰か?真相は闇の中
invertⅡ覗き窓の死角の著者について
『invertⅡ[インヴァートⅡ]覗き窓の死角』の著者は相沢沙呼さんです。
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』『invert 城塚翡翠倒叙集』に続くシリーズ3作目です。
著者については、こちらの記事でまとめておりますので、こちらをご覧ください。
城塚翡翠シリーズは累計50万部を突破しており、シリーズ1作目『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は、第20回本格ミステリ大賞を受賞しておられます。
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『invertⅡ[インヴァート]覗き窓の死角』のあらすじ
前回は中編3編でしたが、今回は2編です。王道のクローズドサークルと、写真家の犯人との戦いが見ものです。
嵐の山荘に潜む若き犯罪者。そして翡翠をアリバイ証人に仕立て上げる写真家。犯人たちが仕掛けた巧妙なトリックに対するものは、すべてを見通す城塚翡翠。だが、挑むような表情の翡翠の目には涙が浮かぶ。
その理由とはーーー。
ミステリランキング5冠『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く待望の3作目。犯人視点で描かれる倒叙ミステリの金字塔!出版社より引用
invertとは、逆さにする、反転させる、裏返しにする、などの意味があります。
『invertⅡ[インヴァート]覗き窓の死角』の登場人物
主要キャラは前回の記事で紹介したので、今回はゲストの登場人物を紹介していきます。
- 夏木蒼汰(なつきそうた)…15歳。わけあってこの山荘で過ごしている
- 江刺詢子(えさしじゅんこ)…翡翠とミステリで盛り上がり友人になった写真家
- 蝦名海斗(えびなかいと)…警視庁刑事部捜査第一課殺人犯捜査第7係の巡査部長
- 槙野怜苑(まきのれおん)…三十代。蛯名の先輩。巡査部長。
今回も翡翠と真ちゃんは元気にきゃっきゃしてましたね…。
癒されます。
『invertⅡ[インヴァート]覗き窓の死角』の感想
『生者の言伝』について
15歳の蒼汰くんを弄ぶ25歳の翡翠、というなんとも微妙な展開でしたが、相手は多感なお年頃の思春期である少年。それを思えばうろたえるのもわかるし、しどろもどろになるのもわかります。
静観していた真ちゃんが引くくらいの誘惑の仕方でしたね。
けしからん!もっとやれ!()
蒼汰くん視点で話が進んでいくのですが、ありがちな展開かと思ったら予想外の展開が待っていてびっくりしました。
犯行の一部がわかっていてもびっくりさせる展開になるのは新鮮だったし面白かったです。
蒼汰くんの嘘をつく癖については、「えっと…」という単語をひたすら言っていたので、それだと思います。なかなか気づきにくいです。
あと、真ちゃんのTシャツのセンスが独特。
ちょっと欲しい。
覗き窓の死角
覗き窓、というのがカメラのファインダーのことなのね。とタイトルにちゃんと意味が書いてあるのでわかるのですが、物語を読んでいくとミモザの中で泣いている表紙絵が印象的で切なくなってきます。
翡翠ちゃんと詢子が出会った場所が喫茶店で、きっかけがミステリの話で盛り上がった友人だったので、本当にショックだっただろうと思います。
実体験でわかりますが、大人になってから友人を作るのは大変難しく、しかも趣味の話で盛り上がれるのは本当に貴重です。
リアルではなかなか読書友だちって出来ないので、Twitterで読書垢なんて作って読書友だちをネットで見つけてるくらいですから。
真ちゃんがいるとはいえ、雇用関係で結ばれてるから友だちと言えるか、確かに不安になりますね。
雇っているからそばにいてくれる。
雇っているから協力してくれる。
友人と言っていいのか迷うのもわかります。
ハタから見てると仲良しの子たちがきゃっきゃうふふして楽しんでるようにしか見えないけれど…
雇い主には雇い主の心配があるんだなぁと感じました。
日常パートが面白い
日常パートがなかなか面白かったです。
確かに和むしほのぼのするけどお互いその仕打ちはないんじゃ…。
多分友人だからできるエピソードだと思うよ、翡翠ちゃん!自身を持って!
と妙に応援していた今回のエピソードでした。
- 翡翠…真ちゃんが寝ているときに、フライパンをおたまで叩いて強制的に起こす
- 真ちゃん…翡翠にアイスを作ってあげるが、翡翠の苦手なアイスを作ってあげる
まあどっちもどっちな感じで面白いのですが、それにしても真ちゃんの作るアイスを翡翠があんなに楽しみにしてにっこにこしてたのに、何もそんなアイスを与えなくても…と感じました。
確かに、普通は緑のアイスだったら抹茶だと思うよね。
それでも苦手だって言ってたんだよ…それなのに抹茶ですらないとはこれいかに。
翡翠が可哀想すぎる、と同情しました。
まさかの、ケールアイスなんて。
真ちゃんの主張はわかる、わかるよ。普段野菜食べないからこういうのなら食べるかなって工夫した真ちゃんの気持ちもわかる。野菜食えって思う。
だがしかし!アイスに野菜を混ぜるのはなんかとても可哀想だからやめてあげて!!
せめて、せめて抹茶にしてあげて!!と強く感じた日常パートでした。
ほのぼのするけど、この仕打ちはちょっと…。
逆にケールアイスの味が気になって来ました。
事件について
事件については…。あとからお偉いさんの話を聞くと、何が本当かわからなくなってきますね。それを知った詢子がどんな反応をしたのかそこも見たかったところですが、そこまではありませんでした。
この最後に出てきたお偉いさんーー諏訪間さんという方は、本来このお話にしか出てこない登場人物なのですが、『生者の言伝』までしか映像化していないはずのドラマに出演しているということで、今後どういう立ち位置になるか気になるところです。
私はドラマを見ていないので、いずれ見たいですね。
多分円盤化(DVD)はされているはず…!
今回のお話は翡翠ちゃんが最初喜んでいただけに、やるせない気持ちになりました。
読書友だちって本当に貴重だから、読んでいた私も残念です…。
翡翠ちゃんにも事件に関係のない純粋な友だちができるといいな。
まとめ
- 今回は中編2話収録
- 後半の事件がえげつない
- 真ちゃんのアイスとコーヒーがえげつない
- 日常パートが面白い
- 事件はやるせない
今回も翡翠ちゃんがブイブイ言わせていて、いつもの計算されたぶりっ子が健在で面白かったです。
事件も犯人が強敵で、犯行がわかっている状態なのにびっくりしたのは久しぶりでした。
次回もまた読んでいきたいと思います。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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