こんにちは、シンカです。
今回は、移動図書館が舞台の小説『めぐりんと私。』の紹介をしていきます。
あなたは、移動図書館を利用したことはありますか?
私は利用したことがないのですが、調べてみたら私の地元にも移動図書館が走っていることがわかりました。
私が車で移動してしまうので、本館だろうと分館だろうと行けてしまいますが、図書館の方から来てくれるなんて夢のようですね。
『めぐりんと私。』では移動図書館めぐりん号についてのお話と、それを利用する利用者を巡ったミステリーが交じる楽しいお話です。
『めぐりんと私。』は、シリーズ2冊目の本なので、まだ1作目の『本バスめぐりん。』を読んでいない方はそちらから読んでみることをお勧めします。
▼この本はこんなあなたにオススメ!
- ミステリーを読んでみたいけど、人が死ぬ話は怖い、と感じる人
- ほっこりしたい人
- 移動図書館がどういうものか知りたい人
移動図書館めぐりん号を絡めたお仕事小説 ミステリーも楽しめる
『めぐりんと私。』の登場人物
大崎梢さんはお仕事小説を数多く書いており、移動図書館のお仕事小説にもなっているお勧めの小説です。
- 永山節子(ながやませつこ)…以前は隣の大和市に住んでいたが、今後一人暮らしになるため家族の意向で種川市に住むことになった。翻訳物の小説ばかりを読んでいたが、日本の小説も読む読書家。めぐりんが巡回していることを知り、利用者になる。
- 勝又優也(かつまたゆうや)…殿ヶ丘地区に住む青年。就職していたが辞めてしまい、次の就職に向けて資格の勉強をするために実家へ戻ってきた。そこで小学生の頃借りて失くしてしまった本を見つけ、当時の出来事が明らかになる。
- 楠田佳菜恵(くすだかなえ)…めぐりんが停車するそばの会社で、派遣社員として働いている。
借りるジャンルは小説ではなく、手芸の本や料理の本、写真集など。
しかし会社のミステリー好きの人にうっかりミステリー好きですと話してしまい、ミステリーを読んでみることに - 前川征司(まえかわせいじ)…今年【七十歳】になる。めぐりんでは小説やエッセイなどを借りていく。小学校の同級生に会う。
- 速水典子(はやみのりこ)…本館の司書。めぐりんの司書であるウメちゃんとともに、めぐりんを見学する。
『めぐりんと私。』のあらすじ
前回の『本バスめぐりん。』は図書館司書とバスの運転手を中心とした物語でしたが、今回はめぐりんを利用する人たちに視点を置いています。
悩みを抱える”私”たちが出会ったのは移動図書館「めぐりん」とささやかな謎だった。
本と人をつなぐハートフル図書館ミステリ連作集!三千冊の本を載せて走る移動図書館「本バスめぐりん」との出会いは、屈託を抱えた利用者たちの心を解きほぐしていく。
家族の希望で縁もゆかりもない土地で一人暮らすことになった節子の、本と共に歩んできた半生を描く「本は峠を越えて」や、十八年前になくしたはずの本が見つかったことを引き金に当時の出来事が明るみに出る「昼さがりの見つけもの」など5編を収録。
めぐりんが本と人々を繋ぐ移動図書館ミステリ、シリーズ第二弾。出版社より引用
Amazonにも同じ内容紹介があったので、そこから引用しようと思いましたが、なぜか節子の名前が規子になっていたので公式を調べました。
…ほぼ同じ文章だけど本家はちゃんと節子で安心した(笑)。
収録作品
「本は峠をこえて」
「昼下がりの見つけもの」
「リボン、レース、ときどきミステリ」
「団地ラプンツェル」
「未来に向かって」
の短編5編からなっており、227ページの単行本です。
『めぐりんと私。』の感想
殺人事件の起きないささやかなミステリー
基本、移動図書館の本バス『めぐりん号』を利用する利用者たちの話なので、警察が介入するような事件は起きません。
ミステリーを読んでみたいけど、殺人事件などは怖くて読めない、という方にはオススメのコージーミステリーです。
ミステリーをほぼ読まないのでどれを読んだらいいか、わからなかったらめぐりんの司書、ウメちゃんが教えてくれます。
実際の小説が出て来て次に読む本の参考になる
今回、ミステリーを全く読まない女性が、ミステリー作家志望の会社の人と知り合いになる話ですが、司書のウメちゃんがテキパキと教えてくれたので、読みたい本がわからない時は司書に聞けばいいんだなあ、と改めて感じました。
ちなみに、ミステリー好きな人に話を合わせるために『この2冊を読んでおけば大丈夫!』という小説で、綾辻行人先生の『十角館の殺人』と、今村昌弘先生の『屍人荘の殺人』を読んでおけば間違いない!あとは勝手にミステリーについて話し出すでしょう、と言っていて、これらもTwitterのタイムラインでよく見かけるシリーズなので、私も今度読んでみたいと思いました。
実は今村昌弘先生の『兇人邸の殺人』を一作目だと勘違いして借りて来てしまったことがあり、その時一緒に借りたのが『めぐりんと私。』だったので、両方シリーズの途中で一旦返した、なんてことがありました。
今『めぐりんと私。』を読み終わったので、次はこれを借りてみようと思います。
タイトルが出て来てニヤニヤしました。
知ってるタイトルがあると嬉しいものですね。
他にも、辻村深月先生の『ツナグ』も読んでおくといいよ、と言っていました。
こちらは前に映画を見てから原作を読んだことがあったので、またニヤニヤしていました。
実際の小説を教えてくれるので、ぜひ参考にしていただきたいエピソードです。
節子は何歳よ?
冒頭で今年【七十二歳】とあった節子ですが、そこから子どもたち三人と出会い、父親と再婚しています。
軽く息子たちが【四十五歳】なので、【三十年】くらい経った設定ですが、そうすると軽く【百歳】越えてる設定になりますよね。
スーパーで働くのも【七十二歳】から働き始めているので、少し無理があるんじゃないかな…?
私が勤めていたスーパーも【七十歳】か定年だったし。
ご長寿すぎるだろ。そりゃー旦那さんも亡くなりますよね。
せめて最初の設定を【六十二歳】とかにすればよかったのでは…。
興味のない人に押しつけないようにしよう…
今回、やはりミステリーの話ですが、移動図書館を利用しているとはいえ、全員が小説を読んでいるとは限らないということです。
図書館を利用していても借りるのは料理本かもしれないし、芸術の本かもしれないし、旅行の本かもしれない。
今回の佳菜恵も、図書館は利用するけど小説は読まないタイプの人でした。
小説読む前提で図書館利用してるでしょ、と言われて戸惑っていたのが少しかわいそうでした。
でもその影響でミステリーを読み始めたのは、結果オーライでしたね。
私もヲタクで、語りだすと止まらない部分がありますので、気をつけよう…。
と感じました。苦笑いしかないです。
桐原さんの気持ち、すごくわかるよ、趣味が合う人を見つけると嬉しいよね…。
ミステリーヲタクな彼にとても共感しました。(笑)
子どもと老人が協力して謎を解く
こちらもささやかなミステリーですが、発想が子どもらしくてかわいかったです。
ちょうどディズニー映画の『ラプンツェル』も見ていたので、イメージはしやすかったですね。
他の大崎梢さんの小説、『ドアを開けたら』みたいに子どもが監禁されているのかと思いましたが、そんなことはなくて楽しい謎解きでした。
まとめ
- 本バスめぐりん。から続く2冊目。
- 短編集で毎回登場人物が変わるのでどこから読んでもOK
- 司書のウメちゃんとバスの運転手テルさんは健在
- 司書の就職活動のエピソードもあるお仕事小説
今回も謎はありましたが、本当にささやかな謎でした。
小学生の子が考えた謎を老人2人が子どもたちと一緒になって考える話も面白かったです。
実際にある小説を司書が教えてくれるため、次の読書の参考になります。
移動図書館を利用したことはありませんが、こんな図書館もあるんだ、と知れてよかったです。
ほっこり出来る小説なので、気になった方は是非読んでみてくださいね。
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました!
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