こんにちは。
図書館が好きでよく通っています、シンカです。
今回紹介するのは、『永遠の夏をあとに』という小説です。
ライトノベルでデビュー作から読んでいた作家さんが単行本を出していたので読んでみました。
Fate好きにオススメ!サヤと拓人を中心に展開される、現代の神隠しを題材にしたファンタジー!!
『永遠の夏をあとに』を読んだきっかけ
角川ビーンズ文庫で発売されていた、『彩雲国物語』が好きで読んでいたからです。前回は古代中華ファンタジーだったけど、今回は現代ものかー、と思ったので読みました。
『永遠の夏をあとに』の著者について
2002年、『彩雲国綺譚』で第1回ビーンズ小説賞の読者賞と奨励賞を受賞しておれらます。翌年に同作を改題、改稿した『彩雲国物語 はじまりの風は紅く』でデビューしました。同シリーズはアニメ化され、累計650万部を超える大ヒットとなります。他の著書に、《レアリア》シリーズ、『エンドオブスカイ』があります。
『彩雲国物語』は全22巻。古代中華系ファンタジーです。
全巻小説で読破しましたが、手放してしまって今は手元にないので手放さなければよかったと後悔している作品でもあります。
角川ビーンズ文庫でイラストを手掛けている由羅カイリさんの表紙はとても美麗です。が、あまり本屋ではみかけなくなってきたので(古いライトノベルです)角川文庫の方で読んでもいいと思います。
コミックス化もされています。
『永遠の夏をあとに』のあらすじ
田舎町に住む小学6年生の拓人は、幼いころに神隠しに遭い、2か月行方不明になっている。だが、神隠しに遭っていた時の記憶は失っている。
そんな拓人の前に弓月小夜子と名乗る年上の女性が現れた。以前、拓人の母花蓮と3人で暮らしていたことがあるというが、拓人は全く覚えていない。夕方の最終バスに乗ってきた彼女を花蓮は気にしており、今年の夏は一緒に過ごすことになった拓人と小夜子(サヤ)。
同級生の彰や数馬とも一緒に過ごし、楽しくも切ない小学6年生最後の夏休みを送る。一緒に生活をしていても、やはり以前の記憶は戻らない。
ーーーーーーなぜ、サヤのことを忘れている?
少しずつサヤについての謎が解き明かされていく。
『永遠の夏をあとに』の感想
で、サヤは生きてるの?死んでるの?
っていう感じでわからないまま進んでいくから、
つい最後の方を先に読んでしまうスタイル
それ、一番ダメなパターンでは…
謎は最後まで取っておこうぜ…
だって!少しずつ小分けに出してくるんだもの!!
あんた、ミステリー読んでも犯人先に読んじゃうタイプでしょう
!!なぜそれを!!
…
結論はここでは出せないので伏せますが、拓人と一緒に行方不明になったサヤが、どうして6年後に戻ってきたのか、という話です。
舞台は1999年の田舎町で、世紀末~とか言いながら『ノストラダムスの大予言』とかを信じている描写は可愛かったです。ありましたね、世紀末のノストラダムスの大予言‼
そんなのはるか昔になってしまったので懐かしいとしか思えませんでしたけど。
拓人の母親の、花蓮さんのセリフが素敵でした。
花蓮さんは記者だから世界中を飛び回る仕事で、家に拓人一人だけの時が多いのでPTAで問題にされたときの切り返しがとてもよかったです。
「拓人は小学6年生だけど掃除も洗濯も料理も出来ます。あなたのご主人はどれか一つでもできますか?」
レビューサイトを見ていても花蓮さん人気でした。
だから花蓮さんの入院の理由が衝撃でした、最後。
30で死ぬ必要ある⁉
サヤよりもむしろ花蓮さんのほうが衝撃でございました。
ああ、お母ちゃん…。
サヤがFateに少し似ている件について
突然ですが、この本を読んでサヤの設定がFateシリーズのサーヴァントに似ているという感想を。
Fateシリーズについてはこちらの記事でまとめています。
サヤが今年の夏だけ尋ねることが出来たのは、6年前拓人と一緒に探しに行った『どんな願い事でも1つだけ叶えてくれる沼』。これにサヤが願ったので、サヤが拓人の元に来れたのだと考察しています。
その、『どんな願い事でも1つだけ叶えてくれる沼』が、Fateに出てくる『聖杯』とよく似ています。
※個人の感想です。
- どんな願い事でも一つ叶えてくれる沼を探しに行く=どんな願いでもかなえてくれる聖杯をかけて戦う
- サヤが幽霊ではなく、触れる状態、生きた人間として戻ってくる(一時的な期間)=聖杯の力で受肉して現代に蘇った歴史上の人物
- 拓人とサヤを現世でつなぐ遺品はバイオリン=マスター(魔術師)が英雄の繋がりを持つ聖遺物(英雄の遺品)を触媒にサーヴァントを召喚する
- サヤが山の捧げものとして山へ還っていく=聖杯戦争を終えたサーヴァントが座に還る
途中から、なんだかFateみたいな話だな、設定は全然違うけど。と思いながら読んでいました。
Fateは、物語が分岐して3つのストーリーになっていくのですが、どれに似ているかといえば、凛ルートの『Unlimited Blade Works』に似ているかな、と感じました。
まとめ
個人的には面白かった作品ですが、謎を少しずつ出しているのでわかりづらい印象でした。
- 神隠しから戻ってきた少年が主人公
- 一緒にいた少女は行方不明
- でも6年後に少女が戻ってくる
- 生きているのか、死んでいるのか?
- ファンタジー要素が強い
見えるし話せるし、触れる。幽霊ではないのならなんなのか、生きているのか死んでいるのかイマイチわからない感じで物語は進んでいきます。
謎を考えながら読むのが好きな方、怪談が好きな方、Fateが好きな方は読んでみてください。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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