鹿の王下巻還って行く者【小説】あらすじ感想とレビュー上橋菜穂子著

3.5
ファンタジー
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シンカ
シンカ

こんにちは。元司書のシンカです。

今回も、前回と同じく『鹿の王』の感想を書きます。
今回は下巻で還って行く者というサブタイトルがついています。
ユナが攫われたり、黒狼熱(ミッツアル)を宿したままなぜ生き延びたかなどの謎が解けていくので読んでいて面白かったです。
ただ、長かった。
下巻だけでも554ページです。
様々な事件が起こり、様々な謎が解けました。
そのとき、ヴァンは、ユナはどんな行動を取るのか?
最後まで見逃せない展開だったので興味深かったです。
この本、図書館だと児童書のところに置いてあるのですが、病素の成り立ちとか結構難しい話もあるので子ども向けにしては少し難解かな、と感じました。
ボリュームはありましたが今回も読みやすく考えさせられる内容でした。
ぜひ、最後までご覧ください。

 

 

サエは敵か味方か?攫われたユナの行方は?緊迫の下巻

 


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 『鹿の王』下巻還って行く者の著者について

『鹿の王』の著者は上橋菜穂子さんです。
著者の経歴については上巻の記事でまとめておりますので、そちらをご覧ください。

 

 

 

 

『鹿の王』下巻還って行く者はこんなあなたにオススメ

『鹿の王』は全体的に、黒狼熱(ミッツアル)という病を中心として、国同士の争いや宗教同士の確執などリアルにあってもおかしくないような問題を取り上げている医療系ファンタジーです。

 

  • 医療ドラマが好きな人
  • ファンタジーが好きな人
  • 動物が好きな人

などにオススメです。
医療ドラマも注射や血清など、ファンタジーではあまり馴染みのない場面や、薬を探しに行く場面があったり、聞き込みに行く場面があったりしますので、ミステリが好きな方にもオススメできるかもしれません。

 

 

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『鹿の王』下巻還って行く者のあらすじ

前回ヴァンがオキ地方からヨミダの森に行った際、『谺主(こだまぬし)』のところでユナが攫われたところから物語が始まります。

不思議な犬たちと出会ってから、その身に異変が起きていたヴァン。
何者かに攫われたユナを追うヴァンは、謎の病の背後にいた思いがけない存在と向き合うことになる。
同じ頃、移住民だけが罹ると噂される病が広がる王幡(おうはん)領では、医術師ホッサルが懸命にその治療法を探していた。
ヴァンとホッサル。ふたりの男たちが、愛する人々を守るため、この地に生きる人々を救うために選んだ道はーーー!?

出版社より引用

黒狼熱(ミッツアル)が伝説の病で、オタワル出身のホッサルの故郷を滅ぼしたということも印象に残りましたし、薬も宗教問題や食文化に左右されることがあると読んでしょっぱい気持ちになったのもあります。
興味深い物語でした。

 



『鹿の王』下巻還って行く者の登場人物

前回は東乎瑠帝国の人々を載せていなかったので、今回は関係のありそうな東乎瑠帝国の人々(移住民も含む)をあげておきます。

 

  • 那多瑠(ナタル)…東乎瑠帝国の皇帝。皇妃の命を救ったリムエッル(ホッサルの祖父)に信頼を寄せている
  • 王幡候(おうはんこう)…東乎瑠帝国アカファ領主。ホッサルの治療で命を救われたことがある
  • 与多瑠(ヨタル)…王幡候の次男。アカファ王の姪、スルミナを妻にしている
  • 呂那(ろな)…王幡領の祭司医長。
  • トマ…オキに住む青年。怪我をして動けなかったところをヴァンに助けられる
  • 季耶(きや)…トマの母。東乎瑠から移住させられてオキに来た
  • ケノイ…<火馬の民>かつての族長。いまは<犬の王>と呼ばれている

東乎瑠帝国の人々は漢字を使うみたいですが、似たような名前が多すぎて皇帝以下息子たちの名前がこんがらがりました。
わりとオタワル医術にも理解があったのは与多瑠かな…。
政治的な駆け引きもあり、少し難しく感じた場面もありました。

 

『鹿の王』下巻還って行く者の感想



謎を残したまま下巻へ移りましたが、黒狼熱(ミッツアル)が東乎瑠帝国の人々に広がった原因、薬の開発、医師と抗体を持つ者の邂逅など盛りだくさんな内容で面白かったです。
特に医術に関しては宗教的な関り、政治的な思惑などがあり病が伝染した理由にも政治的な事件が絡んでいることがわかるので、まるでミステリを読んでいるようで楽しかったです。
何も考えずに読める楽しいだけのファンタジーではなく、深いところも掘り下げていくような形でとても興味深く読みました。

火馬の民<アファル・オマ>とは

東乎瑠帝国がアカファに攻めてきたとき、アカファに住んでいた先住民です。
彼らは犬を操る不思議な能力を持っており、半仔(ロチャイ)を猟犬のように扱うことができます。
半仔(ロチャイ)は黒狼熱(ミッツアル)を宿す媒体なので、半仔(ロチャイ)に噛まれたら発症する流れになるようです。
マスクや手洗いうがいでどうにかなる感じじゃなさそうですね。
犬に噛まれてから、早い人では数日で風邪のような症状がでて、高熱になり発疹が出たあと痙攣を起こして死に至るようです。

 

体格や年齢はあまり関係ない

屈強な武人であった王幡候の長男があっさり亡くなったことから、(オタワル医術を拒否したとはいえ)絶望的な雰囲気が漂っていました。
しかし与多瑠の妻スルミナは血清を打って助かった(アカファ人)ことから、東乎瑠人のみに流行るのではないかと噂が流れます。
医術師のホッサルと助手のミラルは薬の開発のため、薬草を探していました。
その際ヴァンやユナに出会います。
ヴァンとホッサルが出会った時は、漸く2人が出会ったか…!と感慨深い気持ちになりました。
今まで別な場所で行動していた2人で、交互に場面が移って行ったので出会って一緒に会話しているのが不思議な気分でした。

鹿の王とは

ヴァンが飛鹿(ピュイカ)乗りだったとはいえ、黒狼熱(ミッツアル)を中心に話が進んでいたので、どっちかというと『鹿の王』よりも『犬の王』の方が内容的には合ってるんじゃ…。
と思いながら読んでいましたが、ヴァンとホッサルの対話の中でヴァンが『鹿の王』についてもしっかり説明してくれたのでなるほどそういうことかと納得しました。

犬の王について

黒狼熱(ミッツアル)の黒幕とも言うべきこの老人、映画でも謎めいていました。
人間なのか人外なのかよくわからん(笑)。
裏返った状態で話が出来るというか、意思の疎通ができる感じ?
さすが、ヴァン以上に裏返ってるだけありますね。
そのうちヴァンもこうなってしまうのかしら…。
半仔と仲間なのか上位なのか、その点もイマイチわからずです。
とりあえず反東乎瑠帝国なのは間違いないようで、まさかの病を武器に戦うとか、考え方も斜め上でした。
でも先住民だし攻められたから、土地を取り戻したいというのはわからないでもない。

 

 



ホッサルとヴァンの邂逅

漸く主人公2人が出会いましたね。
黒狼熱(ミッツアル)の医師と抗体を持つ者が。
対談も興味深いものでした。
体の中の兵士が病素という敵を見た瞬間に攻撃する説明を読んだときにまた『はたらく細胞』が読みたくなってきました。

そういうことだ。身体の中の兵士たちは、一度麻疹の病素と壮絶な戦いを繰り広げた経験があるから、戦う方法もわかっていて、そのための力もつけている。だから、二度目に入ってきたら、すぐに対処できるってわけだ。

単行本P270より引用

 

このセリフを読んだときに、『はたらく細胞』で白血球さんが血みどろで細菌とバトルしている場面が自然に頭に浮かんできて『はたらく細胞が見たい!』とアニメを見始めたので、映像で情報を整理するのも大事だな、と感じました(強引にまとめた)。

『はたらく細胞』もためになる漫画なので、読んでいろんな細胞の勉強をするのもアリかな、と感じます。

 

 

マコウカンについて

気のいいおっさんであり、利用されやすい性格であり、多分騙されやすいので愛嬌があります。
今回も楽しかったですね。不憫な従者可愛い。
…私の年齢もあるのでしょうか、イケメンで若いホッサルよりも愛嬌のあるおっさんなマコウカンの方がお気に入りです。
もっと出番あればいいのに(笑)。

 

サエについて

サエについては、そうなったか…。

もしかして、ヴァンのこと好きになっちゃったかな?という終わり方でした。

多分恋愛感情はないんだろうけど、惹かれるものはあったんでしょう。

その後のお話やらないかな。

進展…気になるところです。

幸せになるといいな。

 

 

 

鹿の王はAudibleで視聴できます

紙の本だと1回しかルビが振ってなくて、何度も戻って確認したりしますが、Audibleならわかりにくい読み方もその都度読んでくれるので便利です。

 

 

 

まとめ

  • 黒狼熱(ミッツアル)の病の原因とその薬の捜索が始まる
  • 主人公2人が出会う
  • なぜヴァンが生き残ったのか解明される
  • 個人的に下巻のマコウカンがとても好き
  • 鹿の王というタイトルの意味がわかる

上下巻で1000ページ越えという大変読み応えのある小説でした。
映画も見ましたが、やはり原作の方が面白いように思います。
医者がわかりやすく身体のしくみを教えてくれるので勉強にもなると思います。
ファンタジーが好きな人にはぜひオススメしたい作品です。
気になった方はぜひ読んでみてくださいね。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。

 


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