こんにちは、元司書のシンカです。
今回は結城真一郎さんの『#真相をお話しします』を読んだので、その感想を書きます。初めて読む作家さんでしたが読みやすく、ミステリー初心者の方や読書をあまりしない方にもオススメできる5つの短編集です。
それぞれのストーリーに繋がりはありませんが、どれも今風のSNSやYoutuberなどの話題が多く、とっつきやすい題材かな、と感じます。
中学受験の家庭教師を仲介する業者が出会った親子とは?
娘の羽振りが良くなったと危惧する親の行動は?
夫婦の開けてはならない箱とは何か?
本屋大賞にノミネートされ、話題になった短編集です。
順位は【10位】でしたが、とても面白い作品でした。
ぜひ、最後までご覧ください。
短いながらも驚きの連続!予測が難しい
『#真相をお話しします』の著者について
『#真相をお話しします』の著者は結城真一郎さんです。
1991年、神奈川県生まれの方で、東京大学法学部を卒業されております。
2018年、『名もなき星の哀歌』で【第5回新潮ミステリー大賞】を受賞し、2019年に同作でデビューしておられます。
2020年に『プロジェクト・インソムニア』を刊行しています。同年、「小説新潮」掲載の短編小説「惨者面談」がアンソロジー『本格王2020(講談社)』に収録されます。2021年には「#拡散希望」(「小説新潮」掲載)で【第74回日本推理作家協会賞短編部門】を受賞されております。
同年、3冊目の長編作品である『救国ゲーム』を刊行し、【第22回本格ミステリ大賞】の候補作に選出されております。
今回の『#真相をお話しします』は2023年の本屋大賞にノミネートされており、【10位】に選ばれています。
『#真相をお話しします』はつまらない?おすすめポイントは?
短編集なので、時間をかけずに読めることが魅力的です。
ただ、1つの話が短いので、長編が好きな方には少し物足りなく、つまらないと感じてしまうかもしれません。
しかし、短いながら謎がいくつもあり反転していくのでとても楽しく読めます。
- ミステリーが好きな人
- ミステリーが苦手だけど読んでみたい人
- サラッと読みたい人
- 結末に驚きたい人
『#真相をお話しします』を読んだきっかけ
本屋大賞ノミネートで話題になったので読みました。
本屋大賞にノミネートされたことでX(旧Twitter)で話題になっており、読んでみたいと思っていました。
テレビ番組で紹介されたこともあり、一度読んでみたいと感じていました。
図書館で予約したのですが、何人か待ちだったので話題作品だと感じ、読んでみようと思いました。
Xでも読了ツイートあげてる方が多かったです。
王様のブランチで紹介されていたため、話題になりました。
『#真相をお話しします』はアプリでも楽しめます
昨年からAudibleというアプリで聴く読書を使用しておりますが、小説の内容をそのまま朗読してくれるため、音楽を聴くように楽しむことができます。
メリット
- 月額1500円で12万冊以上が聴き放題になります。
- 倍速で聴くことができ、作業中でも音楽を聴くように本を読むことができます。
- アニメの声優さんが朗読してくれるので耳が幸せです。
- #真相をお話ししますのナレーターは間島淳司さんです。
- 車の中で本を読むと車酔いしたりしますが、Audibleでは音楽を聴くように小説が読めるので車酔いの心配はありません。
- 紙の読書のように目を酷使しないので、目にも優しいです。
デメリット
- 話題になった本やメディア化された本はあるが、Audibleにない本もある。
- 作業しながら聴くので集中ができない。
- あまり聴かないときは料金が高く感じる
使わない場合はすぐ退会できるので、そこもポイントだと思います!
紙の本で購入すると1冊1700円ほどしますので、【12万冊聴き放題】はお得です。
『#真相をお話しします』のあらすじ
『#真相をお話しします』は一見普通に思えることでも何か違和感がある予測の難しい短編集です。
ミステリ界の超新星が仕掛ける罠、罠、罠、罠、罠。
家庭教師の仲介営業マンとしてしのぎを削る大学生。
娘のパパ活を案じながらも、マッチングアプリに勤しむ中年男。
不妊に悩んだ末、精子提供を始めた夫婦。
リモート飲み会に興じる学生時代の腐れ縁。
人気Youtuberを夢見る、島育ちの小学生四人組。
微笑ましくて、愛おしくて、時に愚かしい。
令和を生きる私たちのニュー・ノーマル。ーーーーーー本当に?
読みながら覚えるかすかな違和感と確かな胸騒ぎ。
それでも、あなたの予想は必ず裏切られる!
緻密で大胆な構成と容赦ない「どんでん返し」の波状攻撃に瞠目せよ。切れ味最凶、二度読み不可避の新感覚ミステリ。
出版社より引用
『#真相をお話しします』の登場人物
短編はそれぞれ一つの物語として独立しており、作中の別の短編とはリンクしておりません。
- 片桐…家庭教師「アットホーム」の仲介業者で働く大学生
- ケント(偽名)…マッチングアプリをしている中年男
- 翼…不妊に悩んだあと、精子提供を決意した夫
- 桐山…大学時代の友だちとリモート飲み会している社会人
- 渡辺チョモランマ…島に住む小学生。Youtuber
ごめんなさい、チョモランマくんの漢字が出なかったため、カナ変換ですませました。
『#真相をお話しします』の感想
短編集ですぐ読めるのに、ちゃんと予測出来ない結末になるのは面白いと思いました。
正直、表紙の絵が怖かったので読むの躊躇してたんですが、意外と中身は楽しかったのでよかったです。
表紙の絵って大事ですよね…。
ジャケ買いとかもありますしね。
惨者面談について
最近小学6年生の中学受験の話をよく読んでいますが、これをどうやってミステリーに?とか思ったらなかなか予測出来ない結末で驚きましたね。
子どもの名前の読み方から始まり、矢野家の中の家族像がガラガラ崩れて行くのは面白かったです。
子どもが違うのまでは解ったけどなぁ、へぇ~と感心しながら次へ行ったのを覚えています。
ヤリモクについて
これはね、ただのサイコパスすぎて震えました。娘にパパ活を辞めさせるためにそんなことする?
被害に遭った女の子も女の子だけど、確かに狂った主人公でしたね、くわばらくわばら。
ていうかあの状況で娘に会ったらなんて言い訳すんねん。娘も殺しちゃったらどうしよう、という不安の元に終了してしまいました。
なんてこった。
パンドラについて
これについては、何とも言えませんが、見ようによってはハッピーエンドでは?
出口のない迷路から、トンネルのような長い悩みをそれぞれ解決させて、欲しいものを手に入れてるわけですから。
方法は褒められたことではないとはいえ、現在結婚5年目、流産2回目の私としてはハッピーエンド、ですよね?
と感じました。
この本で子どもが産まれない人のこと「石女(うまずめ)」というのを初めて知って、そっちのほうが衝撃…。
余計な単語を1つ覚えてしまいましたが、これについては相手に問題があっただけで中心人物はほぼ目的のものを手に入れてるわけだから、ハッピーエンドでいいんじゃないかな、と。
何も言わなければ、ですけどね。
ちょっと古傷を抉られる感じの話でしたが、これはこれでハッピーエンドとして受け止めたのでよかったと思っています。
まあ、これはこれで。と納得できる感じ。
三角奸計について
これは怖いですね。
リモート飲み会やってて、県外にいる友人がすぐそばに隠れてたとか。
女の子もやること酷いから庇えないけど、それにしても人間って怖いよね…。くわばらくばら。
そして犯人が「やっぱり”大切な話はリモートじゃなく対面(リアル)ですべき”だな」と言う台詞が薄ら寒かったです。
もうホラーなレベル。
二股はよくないよねっていう教訓ですね。犯人の執念が怖い。
#拡散希望について
これはね…SNSやブログをやっている身としては、常に懸念材料ですよね。
キラキラネームまで動画のアンケートにして決めるとか親がヤバすぎる。
いくらおとなしい子でもこれは怒るよね。
リアルなSNSやブログ、動画でも赤ちゃんや子どもを顔を隠しもしないで親の勝手で全世界に晒すってどうなんだろうな?と思うわけです。
いくら子どもとはいえ、ペットじゃないんだから許可は必要ですよね。
私は自分の顔はネットには出さないし、旦那氏の顔も出しませんよ。
旦那氏は陽気な豚です。…
たまに俺の作った料理をネットにあげてるよね。一応許可してるけど、あれも著作権侵害ですよ。
えっ、そんなぁ
こんな調子ですから、お互いの顔なんて出せるわけないんですわ。
それなのに子どもに許可を取らずにYoutubeに流すなんて、しかも名前までそこで決めてチョモランマにするとかありえないですね。
それは…こういう結末になっても仕方ないと思うけど、殺すのはよくないよね…。まあ先に友人殺されてるから、世が世なら仇討ちかぁ。
色々考えさせられる面白い話でした。
まとめ
- 短編集ながら事件性が高く、謎がいくつもあり、楽しい
- マッチングアプリやYoutuber、リモート飲み会など今時に対応したミステリーで楽しい
- 小学6年生は思ったよりもずっと大人
- たまにずっしり来る話がある
短編集でも読者を楽しませようと謎をいくつも用意してあり、予測出来ない展開で面白かったです。
コミックスにもなっているので、気になった方はぜひ読んでみてください。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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