今回紹介する本は、『小説2.43シリーズ』のスピンオフ、『空への助走 福蜂工業高校運動部』について書きます。
本編の2.43はバレーボール部中心の小説ですが、こちらは清陰高校と80ページも費やして代表戦で対戦した福蜂工業高校の部活動の話になっています。
バレー部だけでなく、テニス部や陸上部、柔道部など、いくつか運動部の話をまとめた短編集になります。
本編を読んでいなくても、これだけで楽しめる作品です。
実は私、中学の時はソフトボール部だったんですよ
パワフルだったなぁ
嘘をつくんじゃありませんよ
この運動音痴
本当です!!…高校は、文芸部イラスト研究部だったけど…
だろうな
爽やかで楽しい作品なので、ぜひ手に取って読んでみてください。
この本だけでも楽しめる2.43のスピンオフ
空への助走 福蜂工業高校運動部あらすじ
今回はバレーだけでなく、色々なスポーツの試合が見られる、楽しい1冊になっています。
福蜂工業高校バレー部のエースを狙う高杉と、尋慶女子高校テニス部エースで美人かつ勝気な赤緒。小柄で地味だが躍動感あるスポーツ写真を撮るはっち。中学時代から互いを認め合ってきた三人の友情と淡い恋を描く『強者の同盟』。
明日岡高校陸上部を引退したばかりの涼佳に、突然告白してきた頼りない後輩の柳町。東京の大学に通う元陸上部の先輩へ届かない恋心を抱いてきた涼佳だったが、走り高跳びに打ち込む柳町の成長を見つめるうちに少しずつ心が揺れ動いていく『空への助走』。
新人戦を控えたある日、顧問と衝突。生まれて初めて稽古をサボり海へ向かった福蜂工業高校柔道部主将の長谷はクラスメイトの平に出会い、半ば強制的に釣り部へ入部させられる。長年続けてきた柔道への複雑な思いを胸に、海へ通う日々が始まる『途中下車の海』。
四月。高校生活最後の試合に向け、部活の垣根を越えてエールを送りあう福蜂工業高校の面々を描き出す単行本書き下ろし『桜のエール』。
バレー、テニス、陸上、柔道、釣り、写真、映画…それぞれの部活に懸ける姿が眩しく愛おしい青春小説。
Amazonより引用
空への助走 福蜂工業高校運動部登場人物
運動部中心の試合の話ばかりではなく、淡い恋心などの行方も気になる、きゅんきゅんする1冊です。
強者の同盟
赤緒梓(あかおあずさ)
尋慶女子二年。テニス部。美人で強気な性格。グループの中心。
テニスも強かったが、ある大会で1回戦で負けてしまいます。悔し涙を流しているところをはっちに写真を撮られて…。高杉とは中学じだいからの友人です。
初田稚以子(はったちいこ)
福蜂工業高校二年。写真が得意で、よく首からカメラを提げています。スポーツ写真を撮るのが得意で、カメラマンになるべく、海外に行く。
高杉潤五(たかすぎじゅんご)
福蜂工業高校バレー部。中学の時はエースアタッカーだったが、三村統にエース争いで負けて、ミドルブロッカーに転向します。
空への助走
荒島涼佳(あらしますずか)
明日岡高校3年生。陸上部の部長でしたが、受験生のため引退しています。東京の大学に行く予定。
体はぽっちゃりしているようですが、早く走れます。
荒島拓海(あらしまたくみ)
明日岡高校出身。東京の大学に通っています。涼佳が1年の時に2年生。同じ苗字ですが、親戚とかではないようです。
陸上部では八種競技(短距離、長距離、跳躍、投擲など)を行うオールラウンダーでしたが、走り高跳びは自己ベスㇳ1m95cmという記録を持つ、勝負種目。
八種競技でインターハイに出場したり、走り高跳び単体でも県内上位という実力者です。
柳町渉(やなぎまちわたる)
明日岡高校陸上部、2年生。陸上部だけど走るのは疲れるから嫌だと豪語する頼りない後輩です。あることをきっかけに、拓海先輩の走り高跳びを研究しながら打ち込むようになります。
途中下車の海
長谷忍(はせしのぶ)
福蜂工業高校柔道部主将で、三年生です。部活中に顧問と衝突し、逃げた先は海でした。
釣り部の平政と出会い、釣りをしに海へ通うようになります。
平政洋(ひらまさよう)
福蜂工業高校釣り部主将。海に落ちる生徒を助けては、釣り部に名前を貸せと言う、同級生だけど1つ年上の、長谷のクラスメイト。
空への助走 福蜂工業高校運動部感想
色々な運動部に所属している高校生の、真剣にそれぞれのスポーツに取り組む姿が眩しい1冊です。
小説2.43のスピンオフとして読んだ作品ですが、一話完結になっているのでこれだけでも十分楽しめます。
まるで少女漫画のよう…。
『ハイキュー!!』と同じイメージで読んでいたら、恋愛要素がそこここに出て来てきゅんきゅんしました。
ハイキュー!!は恋愛要素ほぼないもんね。
青春っていいね!
強者の同盟
バレー部の話は最初の『強者の同盟』のみで、3分の1くらいです。
それでも三村統は光っていました。清陰でも小田先輩がプロポーズみたいな言葉で灰島くんや末森さんをその気にさせてたけど、三村にも小田先輩に通じるものがありますね。プロポーズがうまい。
今回はエース争いに負けた高杉潤五の話だったけど、高杉くん視点でプロポーズを受けるとざわざわします。(語彙力)
どの主将も部員のやる気を出すのがうまいわ。
「おれと潤五が前衛にいるローテが一番強い」とか言われたら…。
よっしゃやるか、って気になりますね。プロポーズとは語弊があるけど、潤五がころっと落ちた瞬間を見ました(BLではありません)。
空への助走
陸上部の涼佳ちゃんと柳町くんはとてもよかったです。少女マンガを読んでいるような錯覚に陥る(笑)。
こちらの2人は最初福蜂工業の生徒かと思っていたら、明日岡高校でした。
柳町の対戦相手で、福蜂の蓮川という人がいましたが、この方は1言も喋らず…。
今回は、東京に行ってしまった先輩と福井に残った彼女(拓海先輩とその彼女)。
東京の大学に行こうとする涼佳と福井に残る柳町の対比でとてもよかったです。
前者はうまくいかなかったけど、後者はうまくいくんだろうなという根拠のない自信を持たせますね、かわいすぎる。
私は地元から出たことないので、遠距離恋愛の辛さはわかりません。
しかし、先日旦那氏が働いている病院でコロナのクラスターが発生してしまい、実家に帰るというプチ遠距離恋愛を体験しました。
絶対にかかりたくないし、伝染したくないから、実家に帰りなさい
まさかのLINEのビデオ電話のみの会話!
現在は収束したので家に帰れましたが、お互いの姿が見えないということでなかなかしんどいものがありました。
50人くらいのクラスターでしたが、俺は最後まで陰性でした
2週間でこれだから、大学生活の4年間の遠距離恋愛は大変だと思いますよ。
うまく行けばいいね…。
娘を見守る親みたいな気分になります。
福蜂工業高校運動部の話なのに、明日岡高校の陸上部が表題作でしかも主人公が部活を引退しているという変わり種な表題作でした。
途中下車の海
個人的に好きな話は『途中下車の海』でした。顧問と衝突して海に逃げた時に、まさかの海に落ちて平政に助けられた時には笑ってしまったものです。
聞けば落ちやすいスポットだそうで、なんとバレー部の三村統はダイブしながら落ちたとのこと、そして助けた見返りとして、釣り部に名前を貸す…。
まさかバレー部の主将が釣り部だとは思うまい。
その後の砂浜での柔道対決も青春!って感じでとてもよかったです。楽しかった。
桜のエール
今までの作品に出てきたみんなが花見に揃った、ということ。
初めて蓮川くんが話した!
という妙な感動を得られました。
なんせ『空への助走』に出ていたのはたった数行、それも1言も話さなかったのですから。
少しの出番でも、いい男だと言うことはわかりました、ありがとうございます。
まとめ
- 高校生たちの部活動の物語
- 本編読んでなくても楽しめる
- バレー部、陸上部、柔道部などさまざまなスポーツが楽しめる
- 恋愛要素もあり
爽やかで楽しい1冊でした。
私のようなおばちゃんには眩しすぎる1冊です。
気になった方は、ぜひ手にとって読んでみてくださいね。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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