こんにちは、元司書のシンカです。
今回は『一瞬の風になれ③ードンー』を読んだので、その感想を書きます。
2巻から物語が面白くなってきて、3巻が終わるころには「終わっちゃうのが寂しいよねぇ」と言うくらいでした。
主人公も高校3年生になり、新しい1年生が入ってきたり、砂浜で全力で走ってみたり、インターハイ予選で失敗したり。
今回も色んなエピソードがありました。
その中で特に印象に残っていたのは、言葉しかない小説なのに「言葉はいらない」「言葉にならない」「言葉にできない」などのセリフが多くちりばめられていたことです。
谷口若菜との関係はどうなるのか?
インターハイに行くことはできるのか?
第三部は【382ページ】とボリュームもあり、読み応えがありました。
ぜひ、最後までご覧ください。
県大会やインターハイなど、大きな大会で仲間と走る尊さを知る
『一瞬の風になれ』小説第三部のあらすじ
主人公が春野台高校の3年生となり、新しい1年生が陸上部に入部してきます。
そして、俺らはいつものように円陣を組んだ。
総体に行くためだけでなく、タイムを出すためだけでなく、
鷲谷と戦うためだけでなく、
俺たち四人でチームを組めたことのために走りたいのだった。「この決勝走れて、どんなに嬉しいか言葉じゃ言えねえよ」
すべてはこのラストのために。
話題沸騰の陸上青春小説
ただ、走る。走る。走る。他のものは何もいらない。
この身体とこの走路があればいい………
「1本、1本、全力だ」いよいよ始まる。最後の学年、最後の戦いが。
100m、県2位の連と4位の俺。「問題児」でもある新入生も加わった。部長として、短距離走者として、春高初の400mリレーでのインターハイ出場を目指す。
「1本、1本、走るだけだ。全力で」。
最高の走りで、最高のバトンをしようーーー。
白熱の完結編。出版社より引用
Kindle Unlimitedがお得!
本をお得に読みたい方は『Kindle Unlimited』がおすすめです。
- お好きな端末で読むことができ、持ち物は端末ひとつで済むのでかさばりません。
- 200万冊異常が月額980円で読み放題
書籍やマンガ、雑誌が読み放題になります - 2ケ月お得なプランで、1960円→99円への破格のプランもあります
- 本をダウンロードして、オフラインで読むことができます
- 30日間無料もやっています
- 無料期間中の解約OK!
気になった方はぜひ30日間無料体験をお試しください。
『一瞬の風になれ』小説第三部の登場人物
新しい1年生が入りましたが、なかなか問題児の子で手がかかる子でした。
でも速い(笑)。
- 鍵山義人(かぎやまよしと)…新しく入った1年生。連をスター扱いしてうざがられている
- 桃内公太(ももうちこうた)…2年になったムードメーカー。どうやら鍵山くんとあまりうまくいかないようだ
- 神谷健一(かみやけんいち)…新二の兄。事故後、手術してリハビリ中
- 谷口若菜(たにぐちわかな)…新二が片思いしてる女の子。短距離から長距離へ転向
- 仙波一也(せんばかずや)…鷲谷高校の短距離選手。なかなか勝てない。
『一瞬の風になれ』小説第三部の感想
今回は、3年生になった神谷新二の物語で、アスリートとしても成長していてとても面白かったです。
サッカーは兄貴がJリーガーに行くくらいの天才だったけど、陸上では親友の連が天才的なスプリンターで有名だったので、よく部長としてがんばったな、とほろりとしました。
また、新二のお母さんも好きでしたね。
「息子が二人いてよかったなあ」
母さんがしみじみと言う。
「なんでよ?」
何をわざわざ言い出すんだと思って聞くと、
「だってね、サッカーは好きだから、健ちゃんがやってなくても見ていたと思うのよ。でも、陸上は新ちゃんがやらなかったら、試合を見たりしなかったわ。あんなに面白いのに、もったいないわよね」
「面白い?」
ちょっと嬉しい。かなり嬉しい。単行本P192より引用
新二について
ああ…どうして黄色い頭を黒く染めてしまったんだ…。鷲谷の子から「普通になったね」って言われてるじゃん。
タクアン君って言われてたの面白かったのに。
あれですかね、金髪を黒髪にしたのも心情的な成長、みたいな感じでしょうか。
あとは谷口ちゃんとくっついてくれたらおばちゃん嬉しいよ。
もう保護者目線で読んでる。
印象に残ったフレーズについて
言葉しかない小説なのに、主人公が「この決勝走れてどんなに嬉しいか言葉じゃ言えねえよ」とか、「言葉にできない」とか「言葉にならない」とか要所要所で言ってて印象に残りました。
小説は文字で言葉しかないのに、「言葉にできない」を何度いったことか…。
それだけ高校最後のレースは新二にとって意味のあるものだったんでしょうね。
もうこのメンバーで走れることが尊い、幸せって言ってるので、好きなことをやってるときは生き生きしてるなあと感じたものです。
また、兄の交通事故でたまたま自分が元気に練習できるだけで、明日練習できるかわからないって言っていたのも印象的でした。
悟った感ある。
それはその通りですよね。元気に練習できることがどれだけ貴重か、兄の事故で気づいたんでしょうね。
桃内について
彼は誰でも仲良くできるムードメーカーだと思ってました。
鍵山くんが問題児すぎたけど、最終的に話をするようになってよかったです。
そうか、自分を飛び越えて3年の先輩にべったりだと確かに面白くないか。
鍵山くんの怪我で少し関係が改善されてよかったなと思います。
谷口若菜について
若菜ちゃんについては、新二との進展を楽しみに見ていましたが、ありましたね。
唐突感は否めないけど、大人しい子が大胆に振る舞うのは大好きです。
この物語は新二の日記的な感じなので、2巻の最初に短距離から長距離へ転向する時、新二に相談する前に、親密になる段階のあれこれを知りたかったです。
そこまで詳しくは書かないかな、日記だし恥ずかしいよね。
いや、厳密には日記じゃないんだけど、最初から最後まで新二視点なので、新二の日記を読んでいるような気分になります。
だから、谷口ちゃんとのあれこれー例えば連絡先を交換したりだとか、やりとりをするようになったりだとか、親密になる過程があるとより腐女子としては萌えられるよね!と勝手に思っていました。
あと惜しかったのは、谷口ちゃんの最後の県大会の場面がなかったので、そこまであるとより終わるのが惜しくなるかな、と。
とはいえ、読み手が陸上競技をまったくしたことがなくてもわかりやすく疑似体験ができたのでとても楽しかった作品でした。
あと残り100ページくらいなんだけど、終わっちゃうの寂しいよね
積読が減っていいじゃないか!まだまだあるだろ
まあね、確かにまだあるからごもっともなんだけどね!
青春小説でおすすめは?高校生のスポーツものが好きならこちらもおすすめ!
『空への助走』は、陸上部の部活をメインとした、運動部の物語です。
陸上部だけではなく、バレー部や柔道部など、さまざまな運動部の物語が楽しめます。2.43清陰高校男子バレー部のスピンオフ小説ですが、この本だけでも楽しむことができます。
福蜂工業高校バレー部のエースを狙う高杉と、尋慶女子高校テニス部エースで美人かつ勝気な赤緒。小柄で地味だが躍動感あるスポーツ写真を撮るはっち。中学時代から互いを認め合ってきた三人の友情と淡い恋を描く「強者の同盟」。
明日岡高校陸上部を引退したばかりの涼佳に、突然告白してきた頼りない後輩の柳町。東京の大学に通う元陸上部の先輩へ届かない恋心を抱いてきた涼佳だったが、走り高跳びに打ち込む柳町の成長を見つめるうちに少しずつ心が揺れ動いていく「空への助走」。
新人戦を控えたある日、顧問と衝突。生まれて初めて稽古をサボり海へ向かった福蜂工業高校柔道部主将の長谷はクラスメイトの平政と出会い、半ば強制的に釣り部へ入部させられる。長年続けてきた柔道への複雑な思いを胸に、海へ通う日々が始まる「途中下車の海」。
四月。高校生活最後の試合に向け、部活の垣根を越えてエールを送りあう福蜂工業高校の面々を描き出す単行本書き下ろし「桜のエール」。
バレー、テニス、陸上、柔道、釣り、写真、映画……それぞれの部活に懸ける姿がまぶしく愛おしい青春小説集。Amazonより引用
文庫版が2023年3月17日に出版されています。
読書ブログはこちら↓↓
まとめ
- 三部作のうちの三作目
- 主人公は高校1年生から2年生になり、3巻で3年生となる
- ヒロインとの恋の行方が気になる
- インターハイへは行けるのか?
- ライバルの鷲谷に勝てるのか
今回は三部作の最終巻で、ボリュームもあり陸上競技の疑似体験ができたのでとてもよかったです。
惜しむらくはもう少しヒロインとの接点がほしかったところ。
試合に関しては大円団で終わったので、とてもよかったです!
気になった方はぜひ読んでみてくださいね。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
クリックお願いします!↓↓↓