有頂天家族【小説】あらすじと感想レビュー アニメの聖地とは?

3.5
ファンタジー
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シンカ
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こんにちは。元司書のシンカです

今回は世にも珍しい狸が主人公の小説『有頂天家族』を読んだのでその感想を書きます。森見登美彦作品は2作目になりますが、今回も舞台は京都です。
しかし主人公が人間ではなく、糺の森に住む狸が主人公です。
化かし化かされ、ファンタジー要素が強めながらも、ミステリー要素もある不思議な作品で、くだらないけど面白いという感じになっています。
アニメ化もされており、動画配信もされている作品なので、楽しんで感想を書きたいと思います。
狸と狐の攻防かと思いきや、狸と天狗、人間の攻防でした。
原作は小説三部作の予定ですが、まだ二作目までしか発売されていないようです。
今後が楽しみな作品になりますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

京都で暗躍する狸たち!主人公は下鴨家の三男坊


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『有頂天家族』の著者について

『有頂天家族』の著者は森見登美彦(もりみとみひこ)先生です。
1979年奈良県生まれの作家さんで、京都大学農学部卒業後、同大学院修士課程を修了しておられます。
『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビューされています。
『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞しており、2007年の本屋大賞で2位に選ばれております。
他の著書に、『四畳半神話大系』『四畳半タイムマシンブルース』『きつねのはなし』『美女と竹林』『ペンギン・ハイウェイ』など多数です。
私は『夜は短し歩けよ乙女』と、『四畳半神話体系』、『有頂天家族』『有頂天家族 二代目の帰朝』を読んでいます。



『有頂天家族』を読んだきっかけ

Xのフォロワーさんに勧められたのと、あとはテレビの『マツコの知らない世界』でアニメの聖地として外国人から人気の作品だと紹介されていたからです。
テレビで『偽電気ブラン』『京都』という単語を聞き、『夜は短し歩けよ乙女』に出てきたお酒と同じ!と思い興味を持ちました。
『夜は短し歩けよ乙女』では黒髪の乙女が偽電気ブランを美味しそうに吞んでいましたが、どうやら狸たちが偽電気ブランを工場で製作しているようです。
ストーリーなどのつながりはなくてもアイテムがリンクしてるのも珍しいと思い、読むことにしました。
アニメ化もされているのでdアニメストアで動画配信も見ています。
Xのフォロワーさんも、「何度も再読するくらい好きです!」と言っていたので期待が高まります。

 

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『有頂天家族』のアニメはdアニメストアで配信されています

月額550円という破格で動画見放題なので、ドコモではないキャリアのスマホを使っておりますが、アニメストアだけは継続して使っております。
ドコモでなくても動画配信を見られるのはありがたいことです。
アニメに特化した動画サイトなので、アニメ好きにはぜひおすすめしたい動画配信サービスです!



『有頂天家族』の登場人物

登場人物というか、登場狸というか…。でもあれか、人間に化けて牛丼食べてたりするから普通に登場人物でいけるか…(笑)。

まずは狸から。

下鴨家

下鴨神社・糺の森に住む狸たちの名門の家。

 

  • 下鴨矢三郎(しもがもやさぶろう)…主人公であり、下鴨家三男坊。父の残した「面白きことは良きことなり!」の言葉を胸に勝手気ままに暮らしている。父の近年まれにみる化け力を受け継いでいて、女子高生から達磨までさまざまなものに化けられる。
    普段は男子大学生に化けている。天狗の赤玉先生の世話を焼いている
  • 下鴨矢一郎(しもがもやいちろう)…下鴨家長男。責任感が強い。よく虎に化ける。矢三郎と同じくらい化け力は強い。
  • 下鴨矢二郎(しもがもやじろう)…下鴨家次男。やる気のない怠け者であり、最近では狸であることを辞め六道珍皇寺の境内で蛙に化けている。狸に戻れなくなったらしい。
  • 下鴨矢四郎(しもがもやしろう)…下鴨家四男。純粋。あまり化け力はなく、気を抜くとすぐにしっぽが出てしまう。偽電気ブランを作る工場で働いている

夷川家

下鴨家と並ぶ狸の名門で、偽電気ブランの卸元。下鴨家とはライバル関係にある。

  • 夷川早雲(えびすがわそううん)…夷川家の頭領。下鴨の頭領総一郎と兄弟であり、夷川家へ婿入りした。矢三郎たちの叔父にあたる。
  • 金閣・銀閣…早雲の双子の息子で、本名があるがほぼ金閣・銀閣としか呼ばれない。金閣が兄で銀閣が弟。
  • 夷川海星(えびすがわかいせい)…元矢三郎の許嫁。なぜか矢三郎の前に姿を見せず、罵詈雑言を言うのが常。兄たちより性格はよく、なにかと矢三郎を助けてくれたりする

 

天狗

 

  • 赤玉先生(如意ヶ嶽薬師坊)…大天狗の一人。如意ヶ嶽を治めていた絶大な力を持つ大天狗だったが、「魔王杉の事件」がきっかけで落ちぶれてしまい、今ではアパートの一室にこもってしまっている。弁天に恋焦がれ、彼女の帰りをずっと待ち続けている
  • 弁天(鈴木聡美)…金曜倶楽部のメンバーの一人。赤玉先生に惚れられ、琵琶湖から誘拐され、天狗の術を教え込まれた。金曜倶楽部で矢三郎の父、総一郎を狸鍋にして食べた仇敵であり、矢三郎の初恋の人でもある。
    そのため、人間でありながら空を飛んだり天候を操ったりすることができる

 

『有頂天家族』の聖地は京都 外国人にも人気のスポット

『有頂天家族』の聖地は京都の下鴨神社のそばにある糺の森になります。
有名な京都の地名なども出てくるので、外国人の聖地巡礼などにも人気のようです。実際、『有頂天家族』や『夜は短し歩けよ乙女』などを読んでいると京都に行きたくなります。

 


『有頂天家族』の感想


数あるファンタジーでも珍しい『狸が主人公』の小説はなかなかないのではないでしょうか。狸と人間、天狗の三つ巴の攻防で登場人物が多く大変でしたが、誰が父を狸鍋にしたのかというミステリー要素があり、楽しい小説でした。
忙しい小説だったと言えるかもしれません。厚さがそれなりにありましたが、あっという間に読了出来ました。

 

狸たちの化け具合が素晴らしい

まず、『有頂天家族』を読んで思ったことは、「狸たちは服ごと人間に化けるから洗濯しなくていいし、服代がかからない」ということですよね。人間と違って服を買わなくていいし、洗濯しなくていいから家事がひとつ減るじゃん羨ましい…とか洗濯しながら考えてました。
結婚式とかも花嫁さんに化ければそれでいいもんね。
楽だなぁ。

ただ、化ける力が強い狸たちも弱点はあるようで、化けの皮が剥がれて狸に戻ってしまう瞬間かあるらしいんですよ。その点も面白い。
この巻では矢三郎の弱点については明かされませんでしたが、次巻では矢三郎の弱点がわかります。

弁天について

弁天様はさー。人間って言い張ってるけど、空が飛べる時点ですでに人間じゃないような気がするけど、彼女は人間なの?どうでもいいけど、鈴木聡美って名前はあれですよ、水泳選手と同じ名前だけど、そこはまったく関係ないみたいですね。

彼女は人間にしては達観した部分もあるので、ますます人間らしくなくなっていく。でも狸鍋は食べるという…。

「食べちゃいたいほどあなたが好きなんだもの。でも、食べてしまったらなくなってしまうのよ」というセリフは印象的でした。
ミステリー要素もある中で死をコミカルに表現するのもなかなかない。
ファンタジー要素が強いですが、誰が父を殺して狸鍋にしたのかというミステリー要素もあり、不思議な作品でした。
弁天が井戸の淵で泣くシーンがありましたが、なぜ泣いたのか…。
弁天様にも人には言えない悩みがあるのでしょうか。

 

 

海星について

もう一人忘れてはいけないキャラ、夷川家の海星ちゃんですね。
元許嫁だけど姿は見せないし、影から罵詈雑言言ってくるし嫌われてるのかと思いきやピンチのときに手助けしてくれたりして、いい子なのかなんなのか微妙なところ。
性格は双子の兄たちよりはいいみたいですよ。
作中では決して姿を見せないので存在感はないのかと思ったらそうでもなく、矢三郎の鍵を握っている子でもあります。
…恐ろしい子!!
元許嫁なので今後どのような発展になるか楽しみなキャラです。

 

矢三郎の父について

狸鍋っていうと無駄にコミカルになってるけど、普通の人間のミステリーだと考えればけっこうな謎なわけで、最後に父と会ったのはなぜかとか誰の陰謀で人間に捕まったのかとか色々謎があって面白い父です。
本人は死んだことはとくに気にしてないみたいだけど、まわりはやっぱり気にするよね。
ミステリーの落ちもとてもよかったです。
ボリュームはありましたが見ごたえがありました。

 

 

『有頂天家族』が好きな人にはこちらの作品もおすすめ

『有頂天家族』と地味にリンクしている、京都が舞台の京大生の小説です。
作中に出てくる『偽電気ブラン』で黒髪の乙女がおっさんを救うのですが、その『偽電気ブラン』を作っているのが我らが下鴨家の四男、矢四郎です。
直接的にはストーリーの繋がりはなくても、アイテムで繋がっているのもあるんだなあと思い興味を持ちました。
先に『夜は短し歩けよ乙女』を読んでおいてよかった、と思ったくらいです。
こちらも山本周五郎賞を受賞するなど話題の小説となっています。


「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。
けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する”偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。
そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。
山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作!
解説:羽海野チカ

出版社より引用

 

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まとめ

  • 京都が舞台で狸が主人公
  • 狸だけではなく人間や天狗も出てくる
  • 化けっぷりが素晴らしい
  • 面白きことは良きことなり!
  • アニメのクオリティも高い、個人的には1期のオープニングが好き

 

今回は世にも珍しい、狸が主人公のファンタジーでした。
三部作予定だということで、続きを楽しみにしております!
森見作品は変わったものが多いので面白いです。
今後も森見作品は読んでいきたいと思っています。
気になった方はぜひ読んでみてくださいね。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。


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